ユナイテッド航空の機内から無理やり引きずり出され、負傷した米ケンタッキー州のデイビッド・ダオ医師(69)。シカゴの病院で治療を受けている。
地元メディアWLKYに怪我の状況を尋ねられ、ダオ医師は「全身だ」と答えた。体調は良くないという。
ダオ医師は4月9日、シカゴ発ルイビル行きのユナイテッド航空3411便に搭乗。過剰予約のため、係員らによって無理やり座席から引きずり出され、頭部を強打して出血した。その映像がTwitterやFacebookを通じて拡散し、ユナイテッド航空に批判が集まっている。
ダオ医師は、ケンタッキー州のエリザベスタウンに暮らす。
Daily Mailなどによると、1970年代にベトナムで医学部に通い、アメリカに移住した。呼吸器科医として働いてきた。妻は小児科医で、子ども5人のうち4人も医師だという。
現地では、韓国人であるとか、スタンガンが使われたという報道はない。
ただ、複数のメディアが、ダオ医師が医師免許を剥奪された過去を取り上げ、論争になっている。ユナイテッド航空の対応と、ダオ医師の過去は関係ないからだ。
11日朝、地元紙Courier-Journalは「過去のトラブル」として、ダオ医師が2005年に医師免許を剥奪された経緯を書いた。2015年に条件付きで、再取得したという。
これに対し「まったく関係ないことで個人を中傷することで、肉体的暴力を正当化するのか」といった批判がTwitter上で相次いでいる。
同紙のジョエル・クリストファー編集長はBuzzFeed Newsの取材に、記事は地元では意味をなすが、地元以外の人たちが多く読んだと指摘。「この人物は、その過去のため、地元では知られている。(彼の過去)に触れずに彼に言及するのは、異常だ」と釈明した。
ただ、ユナイテッド航空のためにダオ医師の過去を暴いたのではないかという疑念に対しては「ユナイテッド航空から情報提供されたことは絶対にない」と否定した。
ダオ氏の代理人、ステファン・L・ゴラン弁護士は声明を出した。
「ダオ医師の家族は、たくさんの祈り、気遣い、励ましを受け取り、みなさんに非常に感謝しています。現在、家族はダオ医師の治療に専念しています」
この記事は英語から編集・翻訳しました。
BuzzFeed Newsは「ユナイテッド航空 乗客を機内から引きずり下ろし、血まみれに 社長の謝罪も炎上」に経緯をまとめています。