アヤちゃんとアフマドちゃん。生まれて9ヶ月の双子が、息を吹き返すことはない。
(※閲覧注意:この記事には遺体の写真が含まれています)
父親アブドゥル・ハミド・アルユセフさん(29歳)は双子の亡き骸を抱きしめて、頭を何度もなでる。涙声で語りかけた。
「さようならって言おうね。さようならって」
4月4日(現地時間)、シリア北部イドリブ県で化学兵器を使ったとみられる空爆があり、少なくとも72人が死亡した。
25人もの家族・親族を失ったアルユセフさん。4月6日、埋葬する動画が投稿された。「私の赤ちゃん、決して一人にはしないよ」。墓地で泣き崩れるアルユセフさんを友人らが抱える。
攻撃があったとき、アルユセフさんは家族と家の外に出た。「最初、意識はあったんです。でも5分もすると、変な匂いがしてきたんです」
咳をする双子を妻に預け、逃げるように言った。自分は親族らを確認しに戻った。
懸命に助け出そうとしたアルユセフさん。APによると、兄弟2人、甥2人、めい1人の遺体を見つけた。友人や近所の人たちも犠牲になっていた。自らも呼吸が苦しくなり、めまいを感じ始めた。
意識を失う中、兄弟によって病院に運ばれた。道端には人々が倒れていた。口から泡を吹いている人もいた。
4時間後、回復したアルユセフさんをさらなる悲劇が襲う。双子と妻ダラールさんも息を引き取っていた。
「大丈夫よ。気をつけてね」。アルユセフさんが聞いた妻の言葉だった。
「私の命だった。神の側に召されてしまった」。動画の中で泣きながらアルユセフさんが話す。我が子を思って、両手を前に出し、むせんだ。
「こんな風に私にしがみついていたんですよ。私をバーバって呼んで」
この記事は英語から編集・翻訳しました。
BuzzFeed Newsではシリアを巡って、記事「サリンで苦しむ赤ちゃんたち 子どもが命を落とす戦闘の悲惨さ」や「ウエディングドレスのジッパーが壊れた……結婚式の直前、助けた恩人はシリア人難民だった」を配信しています。