この座席はなんだ......
男性器と張り出した胸が型どられている。そして「男性専用」のサイン......
この「ペニス座席」を設置したのはUNウィメンとメキシコシティ。女性が遭う痴漢などの被害について、男性の意識を高める狙い。
キャンペーン動画には、座ってみるも、ショックを受けて立ち上がる男性らが映し出される。
座席の下にはこんな表示が。「こうやって乗るのは不愉快でしょう。でも、日々の通勤通学で女性が遭っている性暴力はこんなものじゃない」
公共交通機関での女性に対する暴力は世界共通の問題だ。
2014年にロイターが、世界16都市の女性に対して、安心して公共交通機関を使えるか尋ねたところ、総合評価が最低だったのはコロンビアのボゴタで、メキシコシティが続いた。反対に、最も評価が高かったのは米ニューヨークで、東京、北京と続いた。
カテゴリー別では、メキシコシティが、言葉によるハラスメントと身体的ハラスメント(痴漢)が最悪レベルだった。(日本も痴漢はワースト4位につけた)
「公共交通機関で日々、女性たちが耐えなければならないことに基づいています。男性に共感の気持ちを持ってほしいんです」。キャンペーンの狙いについて、UNウィメンのメキシコ代表アナ・グエスメス氏はBuzzFeed Mexicoに話した。
キャンペーンは「女性を性的に暴行したり、支配したりする男性、不適切なことを言うのは男性らしさの一部だと思う男性へのメッセージです」とグエスメス氏。「これは男らしさではありません。みんなで変えなければならない」と強調した。
男性の許されない行為に注目を高めるキャンペーンとして評価する声が上がった。
「これこそ、女性でいることがどういうことか示している」
THIS. THIS IS WHAT IT IS LIKE TO BE A WOMAN https://t.co/j3nQqWCXND
「このキャンペーンが訴えることは💯%正しいと思う。お互いを尊重しよう。セクハラは間違っている!」
Think what this campaign stands for is 💯% right. #Respect one another 1 sexual harassment is not right!… https://t.co/iWR3Seajzb
「すばらしい、(インド)デリーの地下鉄にも『ペニスの座席』があったらいい!」
Fantastic. We need a "penis seat" on Delhi metro trains too! @UN_Women https://t.co/r1XACKGRgr #sexualharassment #publictransport #mexico
一方、否定的な意見も見られた。
「セクハラは冗談なんかじゃない。お笑いのカテゴリーに入れるなんて、馬鹿げている」
Sexual harassment is no joke, but I think think this is putting it in the funny category, actually ridiculous. https://t.co/4mwLcnJfGx
「役に立たなくて、見苦しい」
Useless and ugly https://t.co/XML1fse8hj
「ただ正直言って本当に気持ち悪い」
This is just honestly really gross. https://t.co/5d5vWC8RFj
動画はこんなメッセージで終わる。「メキシコシティでは、日々、交通機関を使う中で、10人のうち9人の女性が何らかの性的暴行に遭っている」
UNウィメンのグエスメス氏はこうも話している。「このキャンペーンでセクハラが当たり前のことだという見方を変えたいんです。嫌がらせをしない男性もたくさんいます。勇気を出して、これは当たり前じゃないと言ってほしいんです」
この記事は英語から編集・翻訳しました。
BuzzFeed Newsでは女性への暴力を巡る記事として「被害女性の手紙に1700万人が涙。スタンフォード大レイプ事件が世界を揺るがす理由」や「性奴隷にされた難民女性が国連親善大使に 『ジェノサイドが起きている』とアマル・クルーニー弁護士」を取り上げています。