トランプ政権は1月30日(現地時間)、サリー・イェーツ司法長官代行を解任した。イェーツ氏は、難民と移民に関する入国制限の大統領令を擁護しないように司法省弁護士に指示していた。
27日、ドナルド・トランプ大統領が署名した大統領令。シリアからの難民受け入れを禁じ、内戦状態やテロ支援国家として指定されているイスラム圏7カ国からの一時的な入国禁止を命じた。
大統領令を受けて、イェーツ氏は司法省に宛てた声明文で「私が司法長官代行である限り、司法省が大統領令を擁護する意見は示さない」と述べた。
オバマ政権では司法副長官を、そしてトランプ政権でも政権側の意向で長官代行を務めていたイェーツ氏。
元オバマ政権の司法省関係者などを中心に声明は支持されていたが、その3時間後にイェーツ氏は解雇された。
30日午後9時、ダナ・ボエンテ弁護士が後任として就任した。
トランプ大統領は30日、民主党の上院議員が司法長官の選定を遅らせているとTwitterで批判。イェーツ氏を「オバマの司法長官代行」と呼んでいる。
「民主党員は内閣閣僚選びを完全に政治的な理由で遅らせている。妨害以外に何もしていない。今はオバマの司法長官代行だ」
また、イェーツ氏が入国禁止令への反対を表明した数時間後に、ショーン・スパイサー大統領報道官はTwitterで「サリー・イェーツ司法長官代行は責任を解除された」と投稿。
そして、トランプ大統領のツイートから90分後に出たホワイトハウス報道官の声明文では、イェーツ氏が「アメリカの国民を保護する法秩序の執行を拒否し、司法省を裏切った」と批判。
「イェーツ氏は、オバマ政権が任命した者で、国境や不法移民に関して得意ではない」
「国を守るのに真剣になる時が来た。7カ国の危険な国から訪れてくる人をより厳しく精査するのは過激ではない。我らの国を守るのに合理的で欠かせないのだ」
また、声明文でボエンテ氏は「セッションズ上院議員が確認されるまで、この役割でトランプ大統領にお仕え出来て光栄です。人々と国家を保護するために、国の法律を守って執行する」と述べている。