フィンランドの100年目の誕生日。隣国ノルウェーには、山の頂をプレゼントしたい人たちがいた

    国境沿いの山はフィンランド側にあるが、山頂はノルウェー側にある

    フィンランドは今年、建国100周年を迎える。この記念日を祝し、隣国ノルウェーには、フィンランドに自国の山、ハルティ山の頂上を贈呈したいと考えている人たちがいる。

    ニューヨーク・タイムズによると、ハルティ山は両国の北部国境沿いに位置している。山はフィンランド側にあるが、その頂上は厳密に言うとノルウェー側にある。

    このアイデアを思いついたのは、ノルウェー地図局出身で、現在76歳の元地球物理学者、Bjørn Geirr Harssonだ。Harssonは1972年に国境調査をしていた際、ハルティ山の頂上がフィンランドとの国境からわずか31メートルのノルウェー側にあることに気づいた。

    この事実を発見して以来、Harssonは山頂を平和の印としてフィンランドに返還するよう、ノルウェー政府に働きかけている。ニューヨーク・タイムズによると、もしこの贈呈が実現すれば、ハルティ山の頂上がフィンランド全土でもっとも高い地点になるという。

    この贈り物の背景にある意図の偉大さに打たれた映画会社のMEL Filmsは、「Battle for Birthday Mountain」という、山頂の贈呈を実現させようとするHarssonの決意を描いたドキュメンタリーを制作した。

    贈り物の支持者は両国に多数いるが、主権国家の国境を変えるというのは非常に重大な決定だ。この件をめぐり、法律の専門家たちがノルウェー憲法に抵触しないかを議論しているが、結論には達していない

    ノルウェーのエルナ・ソルベルグ首相が地元報道機関NRKに伝えたところによると、政府は同提案を受理し、現在検討中だ。The Independentによると、ソルベルグ首相は2016年10月、フィンランドに山頂を贈呈するという提案を却下している。

    ドキュメンタリー作品の終盤、Harsson氏は提案が却下されたことを認めるが、ソルベルグ政権が考えを改めることを期待している、と述べている。

    「首相はこの映像を目にして考えを変えるかもしれない」

    こちらが「Battle of Birthday Mountain」の全編だ。

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    この記事は英語から翻訳されました。