口がきけない自閉症の女性が性的虐待の被害に:アメリカの州営施設に潜む闇

    発達上の問題を抱える人たちのための施設で暮らす入居者たちは、普通の人たちよりも高い確率で被害にあっている。しかし彼らは、虐待をどうやって報告すればいいのか教えてもらっていない。

    自閉症で、24時間のケアが必要なメリーアン・スタローン(59歳)は、話し言葉をほとんど使わない。けれども、手話の表現ならたくさん知っている。彼女はそれを身ぶりと組み合わせて、まわりの人たちとコミュニケーションをとっている。

    しかし2016年11月13日、彼女は、その日の出来事を誰かに手話で知らせる方法を知らなかった。メリーアンはその日、彼女が暮らすワシントン州バックリーにある州営施設「レーニア・スクール」の男性職員から性的虐待を受けていた。同施設で働く別の職員によれば、その晩、彼女がメリーアンの部屋を訪ねると、ズボンを下げてペニスを露出させたテリー・ウェイン・シェパード(62歳)がメリーアンを押さえつけていたという。

    同施設でアテンダント(世話係)を務めるハンター・シアーは宣誓証言の中で、アテンダントたちの責任者を勤めていたシェパードはシアーに対して、建物内の男性入居者が暮らす側を見回るように指示し、彼は女性入居者が暮らす側の見回りを担当したと述べている。彼女が開いたドアのすきまから中をのぞくと、メリーアンの脚の間からシェパードの姿が見えたという。「私の靴がキュッと音を立てると、彼は『くそっ!』と言いました。そして、ゆっくりとズボンを上げて、私をにらみつけました」

    彼女は建物から飛び出し、シェパードのことを別のスタッフに報告し、その後、警察にも事件のあらましを話した。翌日、レーニア・スクールで暮らす別の入居者(彼女は口がきける)が、同施設に勤務する精神科医に対して、彼女もシェパードから性的虐待を受けていたと話した。

    裁判文書によれば、この女性入居者は警察に対して、シェパードは複数回、彼女の服の中に手を入れて、胸と女性器を触ったと話したという。その女性(イニシャル:M.C.)は法廷で、「彼は私に汚らわしいことをしました」と述べた。

    シェパードが起訴されたのは(本人は無罪を主張している)、シアーがたまたま、被告がメリーアンの部屋にいるところに出くわしたから。陪審員団は2018年6月、メリーアンに対する強姦未遂罪、および第2の被害者に対するわいせつ罪で、シェパードに有罪判決を下した。シェパードには終身刑が言い渡される可能性もある。

    だが、メリーアンの姉キャシー・マッキーヴァーは、シェパードだけに責任があるとは思っていない。そして、妹を守ってくれなかったとしてワシントン州を訴えている。

    2017年5月に起こした訴訟のなかでキャシーは、今回の暴行事件につながった状況・環境は、メリーアンが10代のころから暮らしているレーニア・スクールに根づいたものであると主張している。同施設のスタッフは十分な訓練を受けておらず、十分な監視下にも置かれていなかったというのだ。また、メリーアンは社会的弱者であるにもかかわらず、性的虐待の被害を報告するための手話を教えてもらっていなかったとキャシーは主張している。

    司法省が、障害者が遭遇する暴力事件の発生率が上昇しているという情報を公開するようになったのは、2年ほど前のことだった。公共ラジオ局NPRは2018年1月、司法省のデータを公開し、知的障害者は健常者と比べて、7倍以上の割合で性的虐待の被害にあっていることを明らかにした。

    十分なデータで裏づけられたこうしたリスクがあるにもかかわらず、ワシントン州、および全米各地の施設では、アテンダントに対する適切な訓練も、入居者に対する性教育も行われていない。ハンター・シアーが宣誓証言の中で述べたように、レーニア・スクールのスタッフは、性的虐待事件が起きた際の手順に関する訓練をほとんど受けていない。「事件を目撃したら、担当オフィスに電話し、そのあと警察に通報するように、という程度のものでした」と彼女は語っている。

    ワシントン州社会・保健サービス局の広報担当者は、キャシーが起こした訴訟についてのコメントは避けた。同担当者は、スタッフはすべて、虐待に気づいたら当局に報告する義務があり、彼らは虐待や放棄、搾取に関する訓練も受けていると述べた。また、新たな研修も、2016年11月から実施されているという。

    ミネソタ大学のコミュニティ生活研究訓練センターでディレクターを務めるエイミー・S・ヒューイットによれば、各州は独自の基準を設けて、施設で居住者のケアに当たるスタッフを雇用しているという。公立の居住施設は、メディケイド(連邦政府の公的医療保険制度)の財政援助を受けられる。しかし、アテンダント(着替えや外出など、日々のさまざまなニーズを抱える居住者をアシストする職員)が受けなければならない訓練の量や種類に関する連邦政府の基準はない。アテンダントたちは一般的に40時間しか訓練を受けていないが、それだけではまったく足りていないとヒューイットは語る。「基本中の基本を身につけるだけでも、およそ240時間の訓練が必要になります」

    施設で暮らす人々の数は、1960年代のピークから急激に減ってきている。1960年代には約20万人が、全米各地にある州営の居住施設で暮らしていた。2016年の時点では、16人以上が暮らす施設にいまも残る人は約3万5000人になっており、そのうち約2万人が州営施設で生活している。公営の居住施設で暮らしている人々の半分は、メリーアンのように口がきけない。

    「施設からコミュニティへ」という転換が、順調に進んでいるとは言い難い。知的障害者や発達上の障害をもつ人たちがコミュニティの中で暮らせるようサポートするためのインフラは、需要を満たしていない。

    全米では、このような障害を抱えながら家族といっしょに暮らしている約20万人(2016年現在)が、在宅サービス「メディケイド・ウェイバー」が資金援助を行う各種サービスの順番待ちリストに登録している。具体的には、パーソナルエイドや、自宅の安全性を高めるための改築支援などのサービスだ。

    複雑なニーズを抱える人々の家族の中には、自分たちには施設モデルがいちばん適していると主張する人たちもいる。

    しかし活動家たちは、施設におけるスタッフと入居者の力の不均衡は、虐待の文化を助長しかねないと主張している。裁判文書によれば、シェパードの件で名乗り出た2番目の被害者も、精神科医に対して、「このことを報告したせいでトラブルに巻き込まれないか、とても心配だ」と話していたという。

    「セルフ・アドボカシー運動(障害者が自らの権利を擁護する運動)を担う者として、このような施設は、私たちのコミュニティにとって非常に危険な存在だと思っています」と話すのは、自らも自閉症者でありながら社会運動を行なっているアイヴァノヴァ・スミスだ。彼女は、社会事業団体「アーク・オブ・ワシントン・ステイト」が運営する「セルフ・アドボケイツ・イン・リーダーシップ(SAIL)」のメンバーだ。

    ワシントン州バックリーの郊外で育った彼女がレーニア・スクールのことを最初に知ったのは、子どものころ、クラスメートから冗談で「レーニアに送ってやるぞ!」と言われたときだった。「一種の監禁施設なのです」と彼女は言う。

    レーニア・スクールのような施設がいまも存在することを知る人は少ない。しかし2016年の時点では、公立の居住施設をすべて閉鎖したのは16州だけだ。どの州にも、グループホームや、私営の大きな居住施設、養護施設などがある。

    自閉症セルフ・アドボカシー・ネットワーク(ASAN)でエグゼクティブディレクターを務めるジュリア・バスコムによれば、障害を抱える若者が、このような施設に「自分の意志に反して、閉じ込められてしまう」ことが多いという。ワシントン州では約700人が公営の施設で暮らしている。メリーアンもその中のひとりだ。メリーアンのケースを特異にしているのは、彼女が州の保護下で虐待されたという点ではない。スタッフがそれを発見したという点だ。

    2016年に他界した母がメリーアンの異常に気づいたのは、彼女がまだ赤ちゃんのころだった。茶色い髪の毛が愛らしいメリーアンは、兄や姉、そして、いっしょに生まれた双子のきょうだいのように、声を発することはなかった。そして3歳のとき、1960年代当時の専門用語で「精神遅滞」と診断された。

    口はきけなかったが、指差したり、手話を使ったりはできた。そんな彼女は、通りを挟んで自宅の向かいにある遊び場で、ブランコに乗るのが大好きだった。近所の子どもたちがメリーアンをからかうと、2歳年上の姉のキャシーがわめき散らしながら、彼らに向かって石を投げた。大きくなると、2人は同じベッドルームで寝起きするようになった。

    メリーアンはときどき、自分の頭を壁に打ちつけたり、自分の体を噛んだりした。どちらも、自閉症の人には比較的良く見られる行動だ。ところが、メリーアンが13歳になるころ、このような行動は激しさと頻度を増し、ついには母の手に負えないほどエスカレートした、とキャシーは話す。

    メリーアンを州営の施設に入れるのが、唯一の選択肢であるように思えた。施設から車で1時間ほどのところにあるタコマに住んでいた家族は、緑に覆われた広大なキャンパスで暮らすメリーアンをたびたび訪ねた。小さな街の大通りから3kmほど離れたその場所は、牧歌的で、そこには癒しの力があるようにさえ思えた。

    メリーアンは月に一度、家族が暮らす家に帰ってくるようになった。しばらくするとキャシーには、メリーアンが施設で暮らしているという事実はごく自然なことに思えるようになった。「メリーアンは安全な場所で、彼女のことを大事にしてくれる人たちに囲まれているとずっと思っていました」とキャシーは語る。「メリーアンがそこで暮らした年月は、考えてみると40年にもなるのです。妹は安全な環境にいると、私は思い込んでいました」

    キャシーによる訴訟に対して州は、メリーアンに対する虐待の責任があるのはシェパードであって、レーニア・スクールではないと反論し、メリーアンに対する職務怠慢を否定した。裁判文書には、「もし原告が主張する傷害・損傷がいくらかでもあったなら……それはテリー・ウェイン・シェパードによるものだ」という主張が記されている。

    しかし、レーニア・スクールで傷つけられた入居者はメリーアンだけではない。『シアトル・タイムズ』紙は2001年、スタッフのひとりが2000年3月24日、同じく同施設で働く男性スタッフのウェイ・タン・チェンが男性入居者の上に馬乗りになっているところを目撃したと報じた。チェンは1984年から同施設で働いていたスタッフだが、このあと、すぐに解雇された。捜査のさなか、さらに2人の男性が、自分もチェンから性的虐待を受けていたと述べた。チェンは2001年、性的虐待により有罪となった。

    また、2016年に発表された社会・保健サービス局の報告書によれば、レーニア・スクールで「性的暴行の被害にあったおそれのある入居者がさらに」2人見つかったとされている(入居者およびスタッフの名前は明らかにされていない)。「被害にあった入居者たちは、行動に変化が見られたと記録されている。ひとりは、容疑者からおやつをもらったり、シャワーを特別に浴びさせてもらったりしていた」と報告書には書かれている。

    レーニア・スクールで起きていた問題は、性的虐待だけではない。BuzzFeed Newsが入手した文書によると、社会・保健サービス局の調査チームは、2015~18年にかけて同施設で行われた300件以上の違反を記録している。これらの中には、入居者の安全に対するリスクと認定される違反行為も多数含まれている。

    たとえば、スタッフが食事の際の手順に従わず、入居者が食べる料理を細かく切ってあげなかったり、食事中の入居者の様子をきちんと監視していなかったりといったことが繰り返されている。その結果、2015年には、ある男性がピーナッツバターサンドウィッチをのどに詰まらせて死亡している。ある晩、入居者のひとりが体調を崩したとき、待機中だったはずの医師に連絡がつかなかったこともあった。

    レーニア・スクールはこれまでに何度か、過失致死をめぐる訴訟を起こされている。ダニエル・コフィールドという51歳の男性入居者が、雪と冷たいみぞれが降る中で屋外を徘徊し、翌朝、泥の中でうつ伏せに倒れているところを発見された。結局、彼の死を受けて行われた訴訟では、1998年に示談が成立した。

    キャシーの訴訟に対して州は、レーニア・スクールはこれまで、ケアに関する基準を順守していなかったとする彼女の主張を否定している。

    こうした現状が、苦情や悪事を暴くメディア報道を尻目に、約300人が入居するレーニア・スクールのような施設がいまも閉鎖されずにいる理由のひとつだ。

    知的障害を抱え、1950~70年ごろまでレーニア・スクールで暮らしていたマイケル・レイモンドはBuzzFeed Newsに対して、こうした施設がいまも運営されている唯一の理由は、入居者が現状に対する不満の声をあげたところで、「誰も私たちの話を信じてはくれない」からだと語ってくれた。

    ワシントン州発達障害審議会(DDC)でエグゼクティブディレクターを務めるエド・ホーレンによれば、ワシントン州には、障害者をコミュニティに根づいた生活に溶け込ませていこうとする政治的意思が欠けているという。

    2017年には、可決されれば、州内の施設「ファークレスト(Fircrest)・スクール」を閉鎖に追い込んでいたはずの法案が、議会で頓挫した。この法案の2003年版も、議会は通過したものの、2005年に就任した新知事がそれを却下した。この法案の発起人である元州上院議員ディノ・ロッシによれば、どちらの法案も、州の従業員組合から「猛反発」をくらったという。

    前述した「セルフ・アドボカシー」運動を担うアイヴァノヴァ・スミスは、同法案の2017年版(上院法案第5889号)を支持する証言を行った。彼女は、レーニア・スクールおよびファークレスト・スクールに対する2018年のメディケイド認定が部分的に取り消されることによって、次の立法議会で、施設への反対論が強まることを期待している。

    両施設は過去にも、連邦政府が定めるケアの基準を満たしていないことが発覚し、新規入居者に対する財政支援を打ち切られたことがあった。アイヴァノヴァが最後に証言を行ったとき、彼女をはじめとする障害者たちは、法案の反対者たちからこんなふうに言われたという。あなたたちは「高機能障害者」であり、一般障害者と同じようなニーズを抱えていないため、こうした施設での入居者の生活を完全には理解できない、と。

    「本当に苛立たしいです」。そう言うと、アイヴァノヴァは笑い出した。「勝てっこありません。私たちが何も言わないと、『私たちが代弁してあげますよ。あなたたちはしゃべれないのですから』です。『いえ、しゃべれます。私たちは自分の口で意見が言いたいんです』と反論すると、『その必要はありません。あなたたちの意見を代弁するのが、私たちの仕事なのですから』です……お願いです。やめてください。あなたたちの仕事ぶりは最悪です」

    メリーアンのように口がきけない人の場合、自分の意見を言うことはさらに困難だ。レーニア・スクールは、虐待の形跡が見受けられるようになっても、それを簡単に伝える方法をメリーアンに教えなかった、とキャシーは主張する。兄のピーター・スタローンは、メリーアンは2008年ごろ、自分の股を指差すようになり、レーニア・スクールのスタッフも、彼女は性的虐待を受けていることを伝えようとしているのかもしれないと思っていた、と当時を振り返る。

    訴訟によれば、2008年1月に、彼女の内ももからあざが見つかったという。ピーターによると、レーニア・スクールから警察への通報も行われたようだ。ワシントン州パトロール局に話を聞いたところ、暴行を示す証拠はないと医師が最終判断を下したため、この件の捜査は打ち切られたという。

    2009年、メリーアンは性教育を受け、同時に、自分の体を手話で表現する方法を学ぶことになっていた。レッスンが開始されたが、すぐに中止された。レーニア・スクールはその理由を、「このテーマに関するカウンセリングを行うと、メリーアンはひどく落ち着かなくなった。その心地悪さが自傷行為に発展するおそれがあった」からだと述べた という。

    社会・保健サービス局の広報担当者は、メリーアンが受けた性教育についてのコメントは避けたが、書面で次のように語ってくれた。「レーニア・スクールの性教育は、各個人に合わせて行われています。また、トレーニングを行うかどうかの判断は、ニーズの評価と、当人および家族・保護者による依頼にもとづいて行われています。さまざまな分野の専門家からなるチームが、性教育を行うのが妥当かどうかを判断し、その人の個別療育計画(IHP)にトレーニングを組み入れていきます」

    自閉症セルフ・アドボカシー・ネットワークのバスコムは、発達上の障害を抱える人々は、多くの場合、性教育を受けられないでいると言う。彼女はこうした事態について、「彼らを支配するためのもうひとつの手段」と表現する。

    「施設で暮らしている人たちは、私たちが日常的に当たり前と思っているいくつもの選択を下す機会を与えられていません」と彼女は語る。「ノーと言うこともできなければ、イエスと言うこともできません。これは非人間的な行為であり、一種の暴力と呼べるものです。そして、こうした事態は概して、もっと露骨な虐待や暴力へとつながっていくのです」

    こうした姿勢は、社会・保健サービス局が報告するさまざまな違反行為の中にも現れている。同局が行った調査により、2017年にレーニア・スクールで、ある男性の身だしなみ用品が、はっきりした理由もないのに、スタッフによって鍵をかけて保管されていたことがわかった。また2018年には、ある男性が30分間、スタッフとふたりきりにさせられ、言葉による虐待を受けていたらしいこともわかった。

    いまのところメリーアンは、宙ぶらりんの状態に置かれている。いまの彼女は、暴行を受けた部屋で眠っている。性的虐待を表現するための手話はまだ覚えていない。キャシーによれば、シェパードが逮捕されたあとで、メリーアンの治療に当たることになっていた精神科医に電話をかけ、妹が受けるセラピーについて話し合おうとしようとしたが電話が通じず、いまのところまだ折り返しの返事もないという。キャシーの主張についてレーニア・スクールに問い合わせたが、回答は得られなかった。

    キャシーとピーターは、いまの環境がメリーアンにとって危険であることはわかっているが、アリゾナ州にあるキャシーの自宅近くにある新しい施設に彼女を移せるだけの資金を2人は持ち合わせていない。彼女を別の施設に入れるのは簡単ではなく、また多額のお金もかかるのだ。

    メリーアンは生涯のほとんどをレーニア・スクールで過ごしてきた。メリーアンは飛行機に乗ったことがないので、他州に移動する何時間にもおよぶフライトや長距離ドライブに、彼女がどのような反応を示すのかはキャシーにもピーターにもわからない。さらに、メリーアンに対する24時間ケアを、キャシーが負担しなければならなくなるだろう。

    キャシーとピーターはメリーアンを、レーニア・スクールより小規模で、周囲から隔離されていない施設に入れてあげたいと思っている。そのような施設なら、メリーアンが外の世界の人たちと触れ合う時間も増えるからだ。

    憤慨しながら2年近くの時間を過ごしてきたキャシーは、「あの施設がいまも閉鎖されず、法的責任にも問われていないことに困惑しています」と話す。彼女や活動家たちが、ワシントン州にあるこれらの施設の終焉を目にする日が来るかどうかはわからない。

    ピーターは、古いセダンを敷地内に乗り入れながら、入口のそばにある大きな白い看板を指し示した。実の妹が虐待の被害にあったことを考えると、彼にとってその看板は不気味な意味を帯びていた。

    そこには「スタッフ募集中」と書かれていた。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:阪本博希/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan