数万ドルを荒稼ぎしたユーチューバー、子どもの虐待容疑で逮捕

    80万人の購読者がいたユーチューブチャンネルで子どもの虐待が発覚。アカウントは凍結。

    アリゾナ州に住む女性は数万ドルをYouTubeで稼いでいた。ビデオでは、出演していた子ども達を虐待していた。指示通り演じられないと、クーゼットに閉じ込めたり、ご飯を与えなかったりしていた。

    マシェル・ハックニー容疑者は子どもの虐待、性的虐待、育児放棄、違法監禁の疑いで逮捕、起訴された。容疑者はYouTubeで「ファンタスティック・アドベンチャーズ」というチャンネルを持ち、80万人のフォロワーがいた。ビデオでは、スーパーヒーローやナーフバトルをテーマにした台本が用意され、彼女の子ども達と大人達が出演した。

    マリコパ郡の警察は、ハックニー容疑者の成人した娘から告発を受け、3月13日にハックニー容疑者の家を訪れた。3歳から15歳の子どもたちが栄養失調の状態で見つかった。青白い顔色と目の下に黒い輪が出来ていた。

    娘の一人が捜査員に話したところによると、ハックニー容疑者は食料や水を与えず、数日間クローゼットや浴室に閉じ込めた。さらに、唐辛子スプレーを浴びせたり、尻を叩いたり、氷水の浴槽を準備させて頭を水中に入れさせたりしたという。

    息子の一人は、ハンガーやベルトなど様々な道具で叩かれたと警察官に話した。陰部の先を爪で掴み、出血するまでつねることもあった。

    他の娘は、陰部に唐辛子スプレーをかけられ、数日間痛みに耐えたという。

    指示された演技や台本のセリフを間違えると、子ども達は罰を与えられた。学校には数年間通っていなかった。子どもの一人は、兄は「人生のほとんどを緑色のスクリーンのある部屋で過ごしていた」と動画の制作室を示唆していた。

    ハックニー容疑者は容疑を否認している。容疑者の息子ですでに成人しているローガンとライアン・ハックニーの両容疑者は、虐待の報告を怠ったとして起訴された。

    ファンタスティック・アドベンチャーズは10分程度の動画で、毎週更新されていた。1週間前にも更新されたばかりだった。人気が高く、1年前はそれぞれ100万ビュー以上を獲得していた。11月に公開された、ある動画は2,100万ビューを獲得した。

    ソーシャルメディアのネットワークやフォロワーを分析するサイトSocialBladeは、ファンタスティック・アドベンチャーズのYouTubeチャンネルが、各月では8,900ドルから142,400ドル、年間では106,800ドルから1,700,000ドルを稼いだと推定した。

    範囲が広いのは、視聴者が見る場所によって、稼ぐ金額に差が出るからだ。広告をブロックするソフトウェアも統計に影響する。しかし、毎日数十万ビューを得ているため、控えめに見積もっても、ハックニー容疑者は数百ドルを毎日受け取っている。

    3月20日に、YouTubeはファンタスティック・アドベンチャーズを収益化の対象から外した。しかし、ハックニー容疑者がいくら稼いだかという質問には答えなかった。

    「今回対策を講じたような深刻な申し立てに気付いた場合は、収益化の停止や、調査の結果に応じてチャンネルを凍結することもある」とYouTubeの広報担当者は話した。

    YouTubeによると、今回のような深刻な申し立てがあり、犯罪行為の疑いや確信があった場合、アカウントは凍結される。

    ファンタスティック・アドベンチャーズの動画は20日まで全て残っていた。しかし、メディアの注目や事件の報道で、YouTubeはチャンネルを凍結した。

    YouTubeは21日、チャンネルはコミュニティー・ガイドラインの子どもの安全について違反していたと明かした。それまで、ガイドラインのどれに違反しているかは公表していなかった

    それぞれの動画の下にある記述欄には、家族の「ユニークでスペシャルな子どもたちが楽しい動画を作る」とあった。

    「私たちが子ども達と楽しむように、動画を楽しんで欲しい」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:藤原哲哉