リオオリンピック開幕まであと数週間。「新しい世界」のスローガンとともに五輪仕様に彩られたトンネルの前で眠る、一人の女性を写した一枚の写真が、ブラジルのSNSで話題になっている。
ブラジルは過去4年間、街の貧困の兆候をなくそうとしてきた。しかし、SNSで拡散されている女性の写真からは、政府が街の貧困を根絶できないでいることがうかがえる。
多くの人が、この写真はフォトショップで加工されたものではない、と確信している。
この写真を撮影した写真家のフェリップ・バルセロは、元の画像の影と色を編集するのにSnapseedというアプリを使ったと説明した。この説明から、多くの人が彼はこの写真を捏造したのだと確信した。
しかしバルセロは、写真が本物であることを証明するために、同じ場所で撮影した動画を投稿した。
バルセロは、ディレクターでも脚本家でもあり、IED Rioというデザイン学校で教授も務めている。IED Rioでバルセロはポケット・シネマというコースを担当していて、スマートフォンを通してどうやって物語を伝えるか教えている。
バルセロは、リオ西部のバーハ・ダ・チュジカの近くから出発したバスに乗っていた時、あの女性を見たとBuzzFeedに話した。
「私は#Rio2016の宣伝用デザインが描かれたトンネルの外で、女性が横になっていることに気が付きました。私は写真を撮って彼女と話をしようと決めました」と彼は話した。
バルセロは、女性は話をしたがらなかったという。「彼女はただ眠りたかったのです」とバルセロは言った。彼は写真を自分のインスタグラムに投稿して#BusStopTalesとハッシュタグをつけた。このハッシュタグには、道のりに撮影した写真や短い動画も投稿されている。