北海道地震、停電のなか開催された花火大会 なぜ、花火は打ち上げられたのか?

    洞爺湖にあがる花火に絶賛の声が集まっています。

    地震のあった北海道で、花火があがった。

    9月6日に起きた北海道地震で道内は停電に見舞われたが、洞爺湖では花火大会が開催された。

    暗闇の中にあがる花火に「すごく素敵」「元気が出た」との声が相次いでいる。被災する中、花火大会はなぜ決行されたのか?

    洞爺湖温泉観光協会事務局長、野呂圭一さんに話を聞いた。

    議論の末、決行された花火大会

    洞爺湖町では「洞爺湖ロングラン花火大会」として、4月28日から10月31日まで毎日花火があがる。20分間に約450発。湖に浮かべた船上から打ち上げられる。

    揺れは震度4だったものの、停電は7日朝4時まで続いた。現在も一部で復旧していない。

    そんな中、地震が起きたその夜にも、いつもと変わらず花火大会は開催された。

    野呂さんはいう。

    「もちろん、自粛した方が良いのではないかと議論になりました。でも、真っ暗な中で過ごすよりも、花火を見て気持ちの切り替えができればと思いました」

    「また、災害の中でも洞爺湖に来てよかったと思って欲しいという気持ちが強く、花火大会を決行することになりました」

    火山の噴火に見舞われてきた温泉街の心意気

    洞爺湖は温泉街ということもあり、湖畔にはホテルが並ぶ。震災以降、一部のホテルが無償で開放されている。

    「シーツが届かなかったり、食材も豊富なわけではないけれど、外でさまようよりは安心できると思う」

    この地域は、札幌市街から車で約2時間。活火山である有珠山がすぐ近くにある。災害と隣合わせの場所だ。

    「火山が噴火する度に、街は被災し、復興し、今に至ります。災害に負けずにやっていこうという意志があるのだと思います」

    最近では、2000年に有珠山が噴火した。その時も、日本はもちろん世界中の方から応援があったという。

    9月1日の様子。野呂さんいわく「いつもと同じ数だけ花火を打ち上げる」

    野呂さんはこう締めくくった。

    「せっかく洞爺湖に来ていただいた方には、最大限のお出迎えをしたいと思っています。否定的な声もあるかと思いますが、また、来たいと思っていただければ」

    花火大会は今日も8時45分から開催される。