東京医科大の入試不正 女子受験生の減点に常務理事「驚愕した」

    8月7日、会見をした。

    東京医科大学が医学部医学科の一般入試で、文科省前局長の息子に不正に加点していたり、女子受験生や受験回数の多い受験生には不利になる得点操作をしていたとされる問題。

    同大学の内部調査委員会は8月7日午後2時から都内で会見を開き、調査結果を公表した。

    それによれば、2017・18年度の一般入試において、文科省前局長の息子を含む計19人に加点。

    また、女子受験者と4浪以上の受験生には不利になる得点操作が少なくとも2006年から続けられていたことを認定した。

    女子受験生の減点に「驚愕した」

    同日午後5時からは同大学の行岡哲男常務理事と宮沢啓介学長職務代理が会見をした。

    入試の不正をめぐる内部調査委員会の報告結果や、今後の対応などについて説明した。

    調査委員会の報告書によると、2018年度の一般入試において、2次試験の小論文(100点満点)の採点で、女子受験生と3浪以上の男子受験生の合格者が抑制されるよう、点数が操作されていた。

    大学の代表者らは、以下のように説明した。

    「女子の二次試験(小論文)において一律減点していたことについては、断じてあってはならないことであり、これを断絶する。過去の女子受験生に対する対応についても、誠心誠意検討する」

    浪人生の二次試験での得点調整についても、「入学試験において、浪人生の得点調整をしていたことについては根絶する。過去の受験生への対応についても、誠心誠意検討する」とした。

    「なぜ女子受験生の点数を不利に操作したか」との記者の質問に、宮沢啓介学長職務代理は「まったく認識していない」「一部で『必要悪』などの報道もあったが認識していない」「現場とズレがあったのではないか」と答えた。

    行岡哲男常務理事は「(女子受験生の不正操作に)驚愕した。驚きという言葉では表現できないほどだ」と答えた。

    女性差別への対応は

    公表された資料には、「女性差別への対応」の項目もあった。

    「女性を一律減点していたことについては断じてあってはならないことであり、これを根絶するのはもちろんのこと、そこにとどまらず、入学試験以外においても改めて全学を検証する」としている。