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「おばあちゃんになっても2人でずっと笑っていよう」あるカップルの誓い

あるウェディング会社が、同性カップルが愛を誓い合う企画を始めました。日本で同性婚が成立するまで、毎年実施するそうです。

「おばあちゃんになっても2人でずっと笑っていようね。心から愛しています」

都内で6月17日、2人の女性が愛を誓い合った。

2人の大切な日に集った多くの友人らは、目に涙を浮かべ、笑顔で拍手を贈った。

この日、互いへの想いを手紙で伝えあったのは、Kanaさん(26)とMikiさん(28)。3年間交際し、同居する女性同士のカップルだ。

実はこの「誓いの場」は、ウェディング事業会社「CRAZY」が企画したもの。「全ての人が結婚式をあげられる世の中を目指す」ため、社内のLGBT当事者や、当事者が周りにいる社員の有志が集まって始めた。

「戸籍上同性同士の方々のパートナーシップが平等に祝える機会が社会に訪れ、同性婚が法律で認められる日」まで、同社はこの活動を毎年続けていくという。

習慣に縛られず、それぞれのカップルに合ったオリジナルなウェディングをプロデュースしているCRAZYがこのような取り組みを始めたのは、創業者である山川咲さんの当事者との出会いだ。

山川さんは2012年の創業から、多くの男女カップルの結婚式をプロデュースしてきたが、日本では法的に結婚ができない当事者の話を聞くうちに「『全ての人の人生にお祝いを』と結婚式プロデュースをしてきたけど、同性カップルには届かないのかと思った」とことがきっかけという。

ここ数年は、法的に結婚ができなくても、家族や友人に囲まれて結婚式場で式や披露宴を行う同性カップルもでてきた。しかしウェディング会社自体が、同性婚について賛同の意思を表示し、このような取り組みを実施するのは、まだ日本では珍しい。

「同性異性関わらず、大切なパートナーと共に生きるという選択が、世の中にもっとしやすくなる新しい未来に」そして「全ての人が愛を誓える社会に」向けて取り組みを続けていくという。

MikiさんとKanaさんを皮切りに、3日間で計9組の同性カップルが同社のプロデュースのもと、愛の誓いを行う予定。

山川さんは「時代が変わっていくという感覚を感じれるようなイベントにできたらと思います」と話す。

この日、会場には多くの同性カップルもおり、MikiさんとKanaさんの愛の誓いを、肩を抱き合ったり手を繋ぎながら優しく見守った。

MikiさんとKanaさんはBuzzFeed Newsに、この場が「私たちも一歩踏み出してみようかなと思っている他のカップル達の背中を押すことができれば」と話した。

3年前、アプリで出会い意気投合し交際を始めたという2人は、4月からハワイで暮らし始めた。

日々の生活などを動画で発信する「わがしChannel」を2人で運営しており、開始から半年でチャンネル登録者は3万人にも上る。

米国では同性婚が法律で認められており、ハワイは「性別に捉われず、好きな人といるならいいじゃん」という雰囲気だとMikiさんは語る。入国審査で「パートナーなの?」と自然に聞かれたことにも「逆に驚いた」。

Mikiさんは日本に住んでいる時、地元の友人にカミングアウトしても「病気だ」「一時的なもの」などと捉えられ「早く男の人と結婚しなよ」などと言われることもあったという。

今年2月には、同性婚の法制化を求めて全国13組の同性カップルが、国を相手取って一斉提訴した。今は海外で暮らす2人だが、日本での同性婚の実現に向けての思いは強い。Kanaさんは「家族に認めてもらうためにも、日本の法律が変わることは重要」と話す。

「法律で認められていないだけで、2人の愛がなかったことにされてしまうっていう現場を幾度も目にしたきた。法律で認められていないから『やっぱり変』となってしまう場合もあるかもしれない。法律で(同性婚が)認められることで、親にも説明しやすいです」

Mikiさんも、友人に当事者がいなかったり、無関心な人たちにも「あの2人はなんで結婚できないんだろう?と考えて頂ければ」と話す。

生涯を共にしたいと思う2人だからこそ、大切な家族に。そして発信する立場として、社会にも。

同性婚や同性カップルについて本当の意味で理解し、賛同してもらいたいと、思っている。