史上最高に「明るい」スパイダーマンを演じる若手俳優のトム・ホランド。マーベル・コミックの世界観の中を、縦横無尽に飛び回るキャラクターを演じるホランドは、極めてハードなトレーニングを自身のInstagramなどで公開している。
軽やかにステップを踏んで、空中でくるくると回転。腕の力だけで体を支えて、なにもないところをよじ登るようなパントマイム。ホランドのInstagramには、そんな超人的な動画の数々が投稿されているのだ。
4月16日、最新作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公開前のファンイベントにあわせて来日したホランドについて、一緒に来日した同作監督のアンソニー・ルッソも、その身体能力を高く評価した。
「トムの俳優としての素晴らしさというのは、映画を見てもらえればすぐに分かると思うので、それ以上付け加えることはないのだけれど、やっぱり身体能力の高さは彼の魅力のひとつですよね」
彼はどうやって、厳しいトレーニングをやり遂げたのか。ボディメイクのコツ、そして次回作が注目されるホランドの近況について、来日中の本人に話を聞いた。
実は、家でダラダラしていたい
ーー前作『スパイダーマン:ホームカミング』に向けて、厳しいトレーニングに取り組んでいました。今作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に向けても、かなりトレーニングしましたか?
前作に向けて、すでに僕はものすごくハードなトレーニングをしたんだ。あれよりももっとハードなトレーニングができるとは思わないね(笑)。
でも、これまでどおりのトレーニングは継続していた。そのおかげで、今回の映画ではクモの糸を駆使して車を投げたり、キャッチしたり、また投げたりといったアクションができるようになったんだ。あの動きは、前作のときにはできなかっただろうね。
今作ではスパイダーマンの装備も進化するし、より強大で恐ろしい敵とも戦う。だから、前作よりももっとすごいトレーニングをしたと思われるかもしれないけれど、スパイダーマンの「中の人」としては、あれ以上のトレーニングをしたら失神してしまうよ(笑)。
ーートレーニングは好きですか?
実は、僕は自ら進んでトレーニングをするタイプじゃないんだ。本当は家でダラダラしていたい。
ーーInstagramを拝見していて、誤解していました。熱烈なトレーニング愛好家なのかと。
ホームカミングのときには、毎日ジムに通って、トレーニングをした。子どもの頃からやっていた器械体操も、撮影に向けてまた本格的に再開した。でもそれは「仕事」だから。
僕にとってよかったのは、理由があることだったんだ。「海で自分の肉体を見せびらかしたい」とかじゃなくて、(抜擢された)「スパイダーマンを演じるため」という強い動機があった。おかげで、トレーニングや器械体操も楽しんでやり遂げることができたよ。
――大いなる力には、大いなる責任が伴う。スパイダーマンのテーマですね。
誰だって、ジムに行って体を作ることはできるはずなんだ。適切な運動をして、適切な食事をすればね。僕はもともとすごく線が細かったんだけど、その努力のおかげでスパイダーマンを演じられる体を手に入れることができた。
肉体改造のコツは「写真」
ーーどのようにして継続したのでしょうか。イヤになったり、他の誘惑に負けそうになることはなかった?
実は、いい方法がある。見せてあげるよ(記者に向けてスマホを取り出して)。
コツは、毎日写真を撮ることなんだ。同じカメラの位置で、同じ姿勢で。そして、調子が悪いとき、気分が乗らないときは、初日の写真を見る。そうすると「今の自分はこのときより体が変わっている」と実感できるから。ほら、初日と今、ぜんぜん違うでしょう?
ーー今後、トム・ホランド版スパイダーマンは、どのように進化していきますか?
今はもう一度、かなりハードなトレーニングに取り組み始めたところなんだ。何のためのトレーニングかは言えないんだけど、期待していてほしいな。
将来的に、すごく高度で、やっかいな動きをすることを求められている。そのために、トレーニングも器械体操も、もう一段階上のことをしている。一生懸命、取り組んでいるので、報われるといいなと思うよ。