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    民主化を求める大規模な抗議活動が続くスーダン。4月27日に行われたデモで撮影されたある写真が、日本でも注目を集めている。

    前大統領による独裁政権や軍主導の統治に反対し、自由と民主化を求める大規模な抗議活動が続いているアフリカ北東部の国、スーダン。

    4月27日に行われたデモで撮影されたある写真が、日本でも注目を集めている。

    「民政が欲しい」

    AFP通信が撮影したその写真には、「日本語の学生」と書かれたバナーを掲げたスーダン人の学生たちが、日本語で手書きされたプラカードを手に抗議する様子が記録されている。

    プラカードには「民政が欲しい」「平和」「正義」「革命」「血には血を」などの文字が並んでいる。

    スーダンで日本語を教えているJICA青年海外協力隊員のレポートによると、首都ハルツームにあるハルツーム大学アフリカ・アジア研究所では、一般人向けに日本語講座が開かれており、100人以上のスーダン人が日本語を学んでいる。

    街には多くの日本製の中古車が走っており、多くの若者がインターネットを通じて、日本のアニメやマンガに対して高い関心を抱いているという。

    日本語を使って国際社会にメッセージを発信する学生たちの姿は、日本のTwitterでも話題に。

    4月29日の抗議活動では、そのほかにフランス語やスペイン語、ドイツ語で「自由、平和、そして正義」と書かれたプラカードを掲げ、選挙の実施を世界に訴える学生たちの姿が見られた。

    反政府デモはなぜ始まったのか

    1989年にクーデターで政権を掌握したバシル前大統領に対する抗議活動が始まったのは、昨年12月

    政府がパンの価格を3倍に引き上げたことが火種となり、30年間独裁を続けてきた政権による腐敗、経済政策の失敗、飢餓や困窮などを訴える全国的な反政府デモへと発展した。

    4月11日には、イブンオウフ国防相がバシル前大統領を解任し、拘束したと発表。3カ月間の国家非常事態宣言を発令し、2年後に予定されている選挙までは「軍事移行評議会」による軍政を敷くと宣言した。

    反政府デモを主催する団体はこれに反発し、抗議活動はさらに加熱。4月27日には民間人と軍人の双方で組織された新たな評議会を設立することで、軍側と合意したが、その構成などをめぐって、さらなる抗議活動が続いている