100万人が、街を真っ赤に埋め尽くす。香港で人口の7人に1人がデモに参加

    「香港の人々は、私たちの自由、法の支配、表現の自由、そして海外の投資家を歓迎できるこうした経済基盤を守りたいのです」

    香港で拘束された刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡す「逃亡犯条例」改正案をめぐって、6月9日、条例改正に反対する大規模なデモが香港で行われました。

    BBCなどが報じた主催者発表によると、100万人以上(警察発表は24万人)がデモに参加。

    「NO EXTRADICTION」「反送中」(引き渡し反対)などと書かれた赤いプラカードを掲げ、香港の街を埋め尽くしました。

    香港の人口約750万人のうち、およそ7人に1人がデモに参加した計算になると言われています。

    1997年までイギリス統治が続いていた香港では、現在も「一国二制度」のもと、特別行政区として中国本土から独立した自治政府や、イギリス流の司法制度を保っています。

    AFP通信によると、今回問題となっている改正案は、中国をはじめ、香港政府がまだ協定を結んでいない国や地域にも容疑者の引き渡しを可能とする内容で、反対派は「不透明な中国の司法制度に人々が巻き込まれる恐れがある」と抗議しています。

    反対派の活動家はAFPの取材に「香港の人々は、私たちの自由、法の支配、表現の自由、そして海外の投資家を歓迎できるこうした経済基盤を守りたいのです。この条例が通ることで、投資家たちの信用を失ったら、香港は経済的に破滅してしまいます」と語りました。

    また、教員として働く男性はロイター通信の取材に、「改正案が施行されたら、いつ香港から人が消えてもおかしくありません。中国の司法制度に正義なんかありません。あそこに人権がないことを、私たちは知っているのです」と話しました。

    条例改正については、6月12日から本格的に審議が始まる予定です。