沖縄県の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄県が反対の姿勢を示しているなか、政府が土砂投入を始めた。
そんな中、沖縄の海に向かって社会派のネタについて思うことを叫ぶ「せやろがいおじさん」の動画が拡散している。
せやろがいおじさん(@emorikousuke)は、沖縄のお笑いコンビ「リップサービス」の榎森耕助さんが扮する。
これまでも、タレントのりゅうちぇるさんのタトゥーをめぐる問題や、雑誌「新潮45」などについて思うことを叫んだ動画をネット上に配信。毎度のように拡散している。
今回は12月21日に「辺野古の土砂投入について思うことを、辺野古の美しい海に向かって叫んだ」と投稿。Twitterでは前編と後編にわけ、計7千件以上リツイートされている(22日午後1時現在)。
投稿された動画に賛同の声
動画で「右と左の罵り合いの悪口合戦を止めよう」「対立を対話に」「沖縄の問題やなく日本の問題として考えよう」などのメッセージを発信した。
そんな動画のツイートには「伝えたいことを言ってくれた」「前向きなまっとうな言葉に感動」「涙が出そうになった」など多くのコメントがついた。
タレントのローラも呼びかけた署名
さらに動画では、来年2月の沖縄県民投票まで、埋め立てを止めるよう求める米ホワイトハウスの嘆願書サイトでの署名を呼びかけた。
サイトでの署名は22日現在、目標の10万筆を大きく上回り、15万筆を超えた。人気タレント・ローラさんも次のように呼びかけており、話題になった。
「美しい沖縄の埋め立てをみんなの声が集まれば止めることができるかもしれないの」
「名前とアドレスを登録するだけでできちゃうから、ホワイトハウスにこの声を届けよう」
せやろがいおじさんの思い
せやろがいおじさんである榎森さんは、今回の動画にどんな思いを込めたのか。BuzzFeed Newsに「『本当に辺野古が唯一の選択肢か?』という疑問が沖縄県民にはある」と語り始めた。
「その疑問に対する説明や回答というプロセスを飛ばして工事を進めているという現状があります。それを知ってもらい、考えるきっかけになる動画を作りたかったんです」
また、この問題をめぐって「目を覆いたくなるような罵り合いやマウントの取り合いが繰り広げられている」と指摘する。
「異なる立場の人と意見を交流してこそ、新たな視点の発見があると思っています」
「意見の活発な交流を阻害して対立を生んでいる、このような態度について問題提起をしたかったという思いもあり、このような動画を作成しました」
嘆願書サイトでの署名は1月7日まで。13歳以上であれば居住地や国籍を問わず誰でもできる。
サイトで名前とメールアドレスを入力し、受け取ったメールのURLをクリックするだけだ。