ベトナムのハノイで開催されている米朝首脳会談は2月28日に2日目を迎えたが、非核化などで両国は合意に至らなかったと米ホワイトハウスが発表した。
当初、この日の予定は以下のとおりだった。
- 午前11時00分 米朝首脳会談(通訳を交えた1対1)
- 午前11時45分 側近を交えた拡大会合
- 午後1時55分 昼食会
- 午後4時05分 合意文書の署名式
- 午後5時50分 トランプ大統領の記者会見
ところが、この日の予定は大きく変更された。
予定の時間になっても昼食会は始まらず、そのまま拡大会合が継続された。
結局、会談は午後3時過ぎに予定よりも1時間ほど早く終了した。米ホワイトハウスは「予定に変更があった。トランプ大統領は午後4時から記者会見すると発表した」と発表した。
長引いた拡大会合
拡大会合に際して、報道陣は金正恩委員長に「非核化するのか」と質問。金委員長は「その意志がなければここに来なかった」と述べたが、具体的な取り組みについては言及しなかった。
また、「両国に連絡事務所を設けるのか」という質問に対して金委員長は「歓迎しても良いと思う」と答え、トランプ大統領も「お互いにとって良い案だと思う」と、両首脳とも前向きに答えた。
ところが拡大会合は長引き、大幅な予定の変更を受けて「米朝間の交渉が暗礁に乗り上げたのでは」という憶測が広がった。
米ホワイトハウス「今後も協議を期待」
会談終了後、米ホワイトハウスは「非核化などで合意に至らなかった」と発表した。
サンダース報道官は「トランプ大統領と金正恩委員長は建設的な会談をおこなった。非核化を進めるための方法で意見を交わした。今回は合意に至らなかったが、今後も協議をおこなうことを期待している」と声明を出した。
トランプ大統領としては、2020年の大統領選挙に向けて北朝鮮との交渉を成功させ、国内へのアピールにつなげたい思惑があった。北朝鮮の非核化に対する見返りとして経済協力の用意があることも表明していた。
米朝は前回の会談で「朝鮮半島の完全な非核化」で合意していた。今回の会談で北朝鮮がどこまで具体的な非核化の取り組みを約束するか注目されていた。