NGT48の山口真帆さんが自宅前で暴行を受けた事件について、運営するAKSが3月22日に第三者委員会の調査報告書に関する記者会見を開いたが、その内容に波紋が広がっている。
HKT48の指原莉乃さんは3月24日、フジテレビ系「ワイドナショー」に出演。会見を受けて、運営への不信感を語った。
22日の会見で、山口さんは同時並行してツイートを更新。AKSの会見内容と自身の見解に相違があることをツイートで反論した。運営側の説明に対し、被害者である山口さんがリアルタイムで異議を唱える異例の展開をたどった。
AKSへの不信感が広がる中、HKT48指原莉乃さんが3月24日放送の「ワイドナショー」に出演。記者会見への感想を述べた。
指原さんは「私も会見を見ていて、結局納得いかなくて。本人(山口さん)のツイートしているように…」「NGTのメンバーがどう思っているかわからないですが、私の周りは『なんでこうなっているんだろうね』と全員納得していない」と不信感を表明した。
その上で「これで解決したと会社が思ってはいけない。終わらせてはいけない。本人が納得するまで…」と訴えた。
指原さんは放送前日、Twitterで「自分の感じたこと思ったことをお話ししました」と投稿。
「メンバーの中にも何を呟いたらいいかわからない後輩がたくさんいると思います。それが一番悔しいです」「モヤモヤせずにみんなが、まほほんが、アイドルしてほしいです」と、山口さんをはじめ後輩たちを慮るコメントを綴っていた。
報告書は「暴行は事実」と認めたが…
公開された第三者委員会の報告書では、「部屋に入ってドアを閉めようとしたところ、被疑者らから顔面をつかむ暴行は事実だった」と認定した。
一方で、山口さんは「事件に関わっていたメンバーがいる」と訴えていたが、報告書ではメンバーが関与した事実は認められなかったと結論づけた。
その上で、NGT48のメンバー12人とファンとの間に「私的領域におけるつながりがあった」としている。こうした「つながり」について、AKSは「不適切」としながらも、組織運営に問題があったことを理由に、メンバーへの処分は行わない方針だ。
指原さんと同じく24日の「ワイドナショー」に出演した犬塚浩弁護士は、番組内で第三者委員会の報告内容について解説した。
犬塚弁護士は、「被疑者に対して、山口さんの個人情報をリークした人物がいるかいないかが大きなポイントだった」と指摘。その上で、「(第三者委員会は)被疑者から事情を聞くことができませんでした。そのために第三者委員会の結論は、(他のメンバーが)『関与した証拠はなかった』という結論になった」と説明した。
一方で、犬塚弁護士は「『証拠はなかった』という結論だったが、受け取り方によっては『関与していない』となってしまう。そうなると、山口さんが言っていることが違うという結論に受けとられてしまう。受けとり方を間違えないようにする必要がある」と指摘した。
山口真帆さんとAKS、食い違う見解
山口さんは事件発覚後の1月10日、新潟市の「NGT48劇場」で開かれた3周年公演の壇上で、「この度はたくさんお騒がせして、誠に申し訳ありませんでした」「私にも守りたいものがあり、このような形での発信になりました。お世話になった方にもご迷惑をかけて申し訳ないと思っています」と、深く頭を下げて謝罪した。
被害者である山口さんが謝罪したことに対し、当時のSNS上では疑問視する意見や、所属事務所への怒りの声が上がっていた。
これについて山口さんは22日、AKSの記者会見と同時並行してTwitterを更新。運営の説明に反論した。
まず山口さんは1月10日の公演での謝罪について、「(運営責任者の)松村匠取締役に要求されました」「謝罪を拒んだら 『山口が謝らないのであれば、同じチームのメンバーに生誕祭の手紙のように代読という形で山口の謝罪のコメントを読ませて謝らせる』と言われました」と明かし、「他のメンバーにそんなことさせられないから、私は謝りました」と投稿した。
さらに、事件後に運営側が「虚偽の説明」を外部に対して行っていると訴えた。
報告書の内容についても、山口さんは「他のファンには公表できないような、特定のファンとの私的交流を繋がりと言うのはメンバーのみならずファンの皆さんも認識していると思います」「証拠がないと仰っていますが、犯人グループとの交際を認めたメンバーもいます」と指摘した。
22日のAKSの会見では、山口さんのツイートとの食い違いについて、報道陣が問う場面があった。
報道陣は山口さんのツイートの内容を読み上げ、謝罪を要求したのか質問。松村取締役は「事実ではないことがあるなと実感している」とし、劇場での謝罪について「要求はしておりません」と否定した。
会見と並行して山口さんはTwitterを更新。「なんで嘘ばかりつくんでしょうか」と綴った上で、「松村匠取締役が当初言うように考えた文章」として以下のメモを紹介した。
山口さんの一連のツイートを受けて、松村取締役は「私どもとしては精一杯、コミュニケーション取ってきたつもりですけど、そういう指摘を受けるということは不足していたのかなと思います」と答えた。
そのうえで「被害を受けたのは彼女ですし、かかるこのような事態を発生させてしまったことは大変申し訳ございませんとしかありません」と謝罪した。
調査報告書について山口さんの反応を問われると、早川支配人は「『私が言ったことが書かれていない』。どの部分を指しているかまでの話はしていないが、これが全てだよと言われて、『あぁそうですか』と納得している感じではなかった」と述べた。
第三者委員会の報告書「到底納得できない」の声も
第三者委員会の報告書をうけて、芸能人の権利擁護を目的とする「日本エンターテイナーライツ協会」は22日に声明を発表。
同協会はTwitterで「調査の限界については重々承知」しているとした上で、「本件事件へのメンバーの関与の有無について、安易に事実を否定しており、本件の当事者である山口真帆氏や、ファンの方々などが到底納得できる内容になっていない」と非難した。
元SKE48の矢神久美さんも「最低だ。あまりにも最低すぎる」「 一人の女の子が襲われたんだぞ 一生心に傷が残る出来事なんだぞ 人生左右するような事なんだぞ それをなぜ大人たちは…」と、運営を批判した。