映画の祭典「第88回アカデミー賞」の作品賞に、『スポットライト 世紀のスクープ』が選ばれた。日本では4月15日に公開される。どんな映画だろうか。
「スポットライト」は、『カールじいさんの空飛ぶ家』の脚本を手がけたトム・マッカーシーが監督・脚本をつとめた実話を基にした社会派ドラマ。2002年にボストン・グローブ紙が特ダネで報じた(元記事)、地元教区の神父による性的虐待事件をテーマに、取材した記者たちの苦悩と奮闘を描いた。
カトリックの影響が強いボストンでは、教会批判はタブー視される傾向が強いと描かれ、作中でもボストン・グローブの読者の53%がカトリック信者であり、教会からの反論を受けるだろう、と指摘されるシーンもある。そうした緊張感の中、被害者や弁護士などに取材を進め、時には記者同士で衝突をしながら、スクープ記事を作り上げていく。
実話では、ボストン・グローブが暴いたこのスキャンダルをきっかけに全米、全世界へと疑惑の波が広がり、ついには2008年、ローマ教皇ベネディクト16世がアメリカ訪問時に被害者に謝罪するまでの騒動になった。
アメリカの人気映画レビューサイト「ロッテン・トマト」では96%という高評価を得ていた。