オレゴン州パークローズ高校の監視カメラに収められた動画が、10月18日に公開された。
5月に起きた事件の映像だ。実弾入りのショットガンを手にした18歳の生徒を、アメフト部監督が抱きしめた。そして、銃を手から優しく取り上げた。
マルトノマー郡地方検察局が動画を公開し、ポートランドのKOIN 6ニュースがそれを放送した。
高校のアメリカン・フットボールチームのコーチ、キアノン・ロウ氏が、生徒のエンジェル・グラナドス=ディアスからショットガンを取り上げ、体を引いて銃に手が届かないようにしている様子が見える。
監視カメラの映像
高校の警備員も兼務するロウ氏は、動画公開されてから記者会見で語った。
生徒の身柄を確保するため教室に向かったところ、ほんの数歩離れた場所にグラナドス=ディアスが銃を抱えて立っているのに気がついたという。
「顔色と目の様子を確かめ、銃を見ると本物でした。後は本能のままに行動していました」とロウ氏は語った。
「とっさに銃を両手でつかみました」
ロウ氏は自身のツイッターでも、当時の様子を振り返った。
動画では、ロウ氏がグラナドス=ディアスを片手で押さえながら話しかけている。
別の教師がすぐさまロウ氏の手から銃を受け取り、廊下の隅まで移動する。それからロウ氏が振り返って生徒を抱きしめると、生徒は泣き出した。
「正直言うと、彼(ディアス)を救いたいという気持ちに突き動かされたのです」とロウ氏は語った。
「彼は明らかに精神的に参っていました。自分が助けようとしていることを本人に伝えたかったのです」
「ここに俺がいるのは君を救うためだ。君の人生はかけがえのないものなんだぞ」と生徒の耳元で話しかけたそうだ。
かつてオレゴン大学でアメフトチームの主将でワイド・レシーバーだったロウ氏。単に学内での銃乱射事件発生を果敢に防いだだけでなく、問題を抱える生徒の心を救おうとした彼の行動が、多くの人の感動を呼んだ。
動画はツイッターでも拡散されている。
グラナドス=ディアスは公共の建物内での銃器所持容疑、校内での銃発射未遂、過失傷害未遂、公共スペースでの実弾入り重火器の所持容疑で逮捕された。
警察によると銃は1発分装弾してあったという。
10月10日にグラナドス=ディアスは起訴内容について罪を認め、3年の保護観察処分を言い渡された。検察側との司法取引により、グラナドス=ディアスは精神科と薬物乱用の治療を受けることとなる。
保護観察期間中は、学校敷地内への立ち入りが禁止される。
この記事は英語から翻訳・編集しました。