結婚式で「大麻入り」の食事を提供、花嫁とケータリング会社スタッフを逮捕。米フロリダ

    フロリダ州は、医療用大麻の使用は合法だが、嗜好用大麻の使用は違法。結婚式の招待客には知らされていなかった。多くが「ハイになった」と証言し、中には体調不良を訴えた人もいた。

    アメリカ・フロリダ州のロングウッドで行われた結婚式で振る舞われた食事に、招待客に無許可で大麻が混入されていたとして、花嫁とケータリング会社のスタッフが逮捕された。

    アメリカでは、州によって大麻の規制が異なる。ニューヨーク州やアリゾナ州など、15の州とワシントンD.C.では、医療用大麻と嗜好用大麻の使用が合法化されている。

    フロリダ州は、医療用大麻の使用は合法だが、嗜好用大麻の使用は違法

    嗜好用に所持していた場合、20グラム未満で、1年間の懲役と最高1000ドル(約13万円)の罰金が科される。20グラム以上だと、5年間の懲役となる。

    大麻の譲渡も罪に問われる。20グラム未満の場合、1年以下の懲役と最高1000ドルの罰金が科される。

    結婚式が行われたのは、現地時間2月19日。供述書によると、「多数の招待客に、違法薬物を使用した時と同じ症状が見られる」との通報が警察に入ったという。

    多くが「ハイになった」と証言し、中には体調不良を訴えた人もいた。

    一部は症状が悪化して病院に搬送され、そこで大麻成分の摂取が明らかになったという。

    会場で提供されていたラザニアを調べたところ、大麻成分が検出された。

    ある招待客は、ミートボール2個、シーザーサラダ、トルテリーニ、オリーブオイルとハーブのパンを食べたあと、「ゾクゾクして、鼓動が早まり、おかしなことを考えていた」と警察に話した。

    他の招待客は、「変な感じがして、体がゾワゾワし、口の中が極端に乾燥していた」と話す。新郎に「食べ物に何か入っているのか」と尋ねたところ、新郎は「何が起きているのか確認させてほしい」と言って立ち去ったが、その後返答は得られなかったという。

    また別の招待客は、食事のあとにめまいと吐き気を覚えたと証言している。彼女は当初、症状はアルコールによるものだと考えたが、飲酒量はわずかだった。

    彼女の親族が水を取りに厨房へ行くと、厨房スタッフが「料理に大麻が入っている。招待客は知っていると思っていた」と明かした。

    裁判資料によると、通報を受けて現場に到着した警官が、新婚夫婦に「招待客は食事に大麻が入ることに同意していた、もしくは大麻入りの食事を要求していたか」と聞くと、2人は「数分間無表情で警官を見つめ、口ごもりながら『いいえ』と答えた」という。

    ある招待客は、ケータリング会社のスタッフが、オリーブオイルを使用した料理に、「大麻のような匂いのする、緑色でふわふわした物体」を入れるのを見たと証言している。彼女が「料理に大麻が入っているか」とスタッフに尋ねたところ、スタッフは「はい」と答えた。

    事件に関わった新婦のダニア・スヴォボダ容疑者(42)と、ケータリング会社スタッフのジョセリン・ブライアント容疑者(31)は、食品への異物混入、大麻の譲渡、過失致死傷の罪に問われている。

    どちらも保釈されており、6月7日に罪状認否が行われる。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子