世界で“最も醜い”犬のコンテストが毎年開催される理由に泣ける

    「ブサイク犬コンテスト」だけどみんなかわいいよ。

    「世界で一番ブサイクな犬」を競う国際大会「世界で最も醜い犬コンテスト」が、今年もカリフォルニア州ペタルーマのソノマ=マリン・フェアで開催されました。

    舞台に立ったのは、ブサイクだけど可愛げのある十数匹の候補犬たち。その中から、全身から野良犬感を漂わせる「スキャンプ・ザ・トランプ」がグランプリに輝きました。

    スキャンプの飼い主であるイヴォンヌ・モロネスさんは、スキャンプの毛並みを米ボクシングプロモーターのドン・キング氏に例えました。

    BuzzFeed Newsの電話取材に対し、「スキャンプの毛はまっすぐ立っているんです。体の毛は伸びなかったかれど、頭にはグレーのドレッドヘアが自然に生えています」とモロネスさんは話しました。

    スキャンプにとって今回は4度目の出場で、去年は2位だったそうです。大会の常連さんだったんですね。

    7年以上前、モロネスさんは、野良犬だったスキャンプをシェルターから引き取りました。スキャンプが殺処分されるわずか1時間前の出来事だったそうです。

    現在スキャンプはセラピー犬としてお年寄りや子どもたちの心を癒しています。

    モロネスさんは、スキャンプの「性格の良さ」が人気の理由だと話します。

    こちらが大会の様子。スキャンプが優勝した瞬間です。

    Congratulations to the 2019 #WorldsUgliestDog Contest WINNER Scamp The Tramp! 🏆 Charming the judges with her beauty and talent Scamp The Tramp pulled in front of the pack, taking this year’s crown at the #SonomaMarinFair!

    モロネスさんとスキャンプには賞金として3000ドル(約30万円)が贈られました。半分はシェルターへの寄付とニューヨークへの旅費にあてるそうです。ニューヨークではショーへの出演が決まっています。

    「朝起きたときスキャンプは尻尾を振っていて、『今日はいつもとは違う』とわかっているようでした」とモロネスさん。

    AP通信によると、2位は長く垂れた舌を持つペキニーズの「ワイルド・タン」、3位は下あごに歯が1本もないチワワの「トスティート」でした。


    去年の優勝犬は9歳のブルドッグ「ザザ」。

    このコンテストの目的は、恥をかかせることではなく、シェルターからより多くのペットが引き取られるように促進することだと主催者は言います。

    「全ての犬は愛らしい」というメッセージを多くの人に伝えることも動機のひとつだそうです。

    モロネスさんは、過去に脊髄を損傷し、その影響で体重が増えた時期がありました。その時に「社会からの疎外感」を感じたという実体験が、コンテストに出場する犬たちと共通しているように思えたそうです。

    「外見が『あるべき』姿におさまっていない時、人々はその人を疎外してしまいがちです」と彼女は語ります。

    「だからこそ犬は特別なのです。疎外されても、それを乗り越えていかなければならないから」

    惜しくも優勝を逃した他のブサカワ犬たち。みんなユニークでかわいい!

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子