「ミャクミャク様の最終形態…」カナダの「牡蠣祭り」ゆるキャラが全然ゆるくない件

    カナダ最大の「牡蠣祭り」ハリファックス・オイスター・フェスティバルのマスコットキャラクター「パール」の見た目が怖すぎると、ツイッターで話題になっている。BuzzFeed Newsは、パールの知られざる生態に迫った。

    カナダ最大の「牡蠣祭り」ハリファックス・オイスター・フェスティバルが、現地時間9月23日、24日に開催される。

    フェスティバルのホームページで一際目を引くのが、マスコットキャラクターの「パール」だ。

    パールには少なくとも13個の目と、なんとも甘美な唇がある。そして、人間の手足が生えている。

    ハリファックス在住のエイミー・ラングドンさん(30)は、フェスティバルへの参加を検討している友人を介してパールの存在を知り、すぐツイッターに投稿した。

    「ハリファックス・オイスター・フェスティバルのマスコットなんだけど、ものすごく怖い」

    this is the mascot for the Halifax Oyster Festival and i’m absolutely terrified of it.

    Twitter: @alangdon17

    ツイートは2万件以上リツイートされ、恐怖の反響が寄せられている。中にはドラマやアニメの悪役に例える声や、「パールに会いにフェスティバルに行きたい」といった声もあった。

    同じく牡蠣を模した広島県のゆるキャラ「ブンカッキー」と比較する人も。

    「牡蠣のマスコットほど、欧米と日本のデザイン感覚の違いがはっきり出るものはない。参考までに、広島のイベントの様子をどうぞ」

    Never are the differences between Western and Japanese design sensibilities clearer than when comparing oyster mascots. Here's one from the Hiroshima Municipal Culture Festival for reference. https://t.co/T5yRjogb2c

    Twitter: @Matt_Alt

    ラングドンさんのツイートは日本でも拡散され、パールが大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」を彷彿とさせると話題になっている。

    「ミャクミャク様の海外版」、「ミャクミャク様の最終形態」、「ミャクミャク様と闘わせたい」などのコメントが寄せられた。

    パールの「所有者」は、地元週刊誌The Coastを発行しているクリスティーン・オレスコヴィッチさん。The Coastは2017年からオイスター・フェスティバルの開催に携わっている。

    地域の新鮮な海産物を取り上げるイベントを開催しようと、オレスコヴィッチさんと同僚がオイスター・フェスティバルを発案した。そのとき、何かグッズになるマスコットも必要だと思った、とオレスコヴィッチさんはBuzzFeed Newsに語った。

    同僚でアーティストのアジザ・アサットさんがスケッチでパールの原案を描き、そのイラストは2017年のフェスティバルでTシャツや旗などに起用された。

    2018年の開催に向け、地元のアーティスト、ヘラ・クーパーさんがスケッチをもとにキャラクターを三次元化。そして、パールが誕生した。

    パールはフェスティバルの人気者だとオレスコヴィッチさんは言う。

    客たちはカナダ各地の牡蠣を試食し、牡蠣の殻むき競争に参加し、料理の実演やライブ演奏の合間に、パールと一緒に写真を撮るのを楽しんでいるそうだ。

    「フェスティバルでは、パールもよく踊っていますよ」

    「あとは、海の近くで開催するので、海をじっと眺めていることも多いですね」

    実は、パールには相方「アール」がいる。アールは2018年にフェスティバルデビューを果たした。

    ラングドンさんもアールの存在をツイートしている。「もう1匹いた」

    Twitter: @alangdon17

    アールはパールによく似ているが、唇の形が違い、長い口ひげがある。オレスコヴィッチさんによると、2人は夫婦ではないという。

    ラングドンさんのツイートが拡散され、パールとアールに注目が集まった影響で、フェスティバルのホームページへのアクセスが増え、チケットの売り上げも伸びているという。

    オレスコヴィッチさんと同僚は、反響を受け「ただ声を出して笑った」と話す。

    「私たちは長い間パールとアールを愛してきましたが、今まで誰も、クールで奇妙でめちゃくちゃな2人の魅力に気づいていませんでした。私たちはブームを5年先取りしていたんですね」

    BuzzFeed Newsは、パールへのメール取材に成功した。


    ――初めまして、パール。 最初に聞きたいのですが、あなたは平和的な存在なのでしょうか?

    大体はそうです。

    ――あなたは一体何者ですか? 感覚や痛みはありますか?

    私はとても働き者の牡蠣です。一日中海の水をろ過して、夜は波止場でカクテルを楽しみます。毎晩ね。痛みはそれなりに感じます。

    ――ネットでは、あなたの外見に対して「怖い」という声が多数上がっていますが、これについてどう思いますか? 悲しいですか? 怒っていますか? 人類を滅ぼすほどの復讐心を抱きましたか?

    人類に文句はありませんが、プラスチックを使い捨てるのはやめてほしいですね。あとあれなんですか、淡水パールって。

    ――アールとの関係は? アールは独身ですか?

    アールとは今距離を置いています。バケーション中に、アールは私にひどいことをしたんですよ。今はクールダウン中です。

    ――最後に、あなたの仲間を食べるようなイベントのマスコットキャラクターになって不満はありますか? 「ハリファックス人食いフェスティバル」を開催しようといった考えはありますか?

    私は毎年オイスター・フェスティバルに参加するようにしています。いわゆる家族の集まりみたいなものなんです。来れる人と、来れない人はいますが。

    でも、人間は食べませんよ、気持ち悪い。私は植物性プランクトンしか食べない主義です。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子

    カナダ最大の「牡蠣祭り」ハリファックス・オイスター・フェスティバルのマスコットキャラクター「パール」の見た目が怖すぎると、ツイッターで話題になっている。BuzzFeed Newsは、パールの知られざる生態に迫った。