全米オープン、ジョコビッチ選手が危険行為で失格。線審の首にボールが直撃

    18回目のグランドスラムタイトル獲得の機会を失ったジョコビッチ選手は、インスタグラムで謝罪を表明した。

    米ニューヨークで開かれている、テニスの4大国際大会の一つ全米オープンで9月6日(現地時間)、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ選手が、試合中の危険行為により失格となった。

    男子シングルス4回戦で、スペインのパブロ・カレーニョ・ブスタ選手との第1セット終盤。ジョコビッチ選手がいらだった様子で壁に向かってボールを打った。

    だが、そのボールは線審の首を直撃。線審は地面に倒れた。

    ジョコビッチ選手はすぐに線審の元に歩み寄ったが、線審は喉元をおさえ、一時呼吸が困難になる場面もあった。

    線審はその後、コートを去ったと報じられている。

    HOLY CRAP. Djokovic defaulted after he inadvertently hits a ball and strikes a line judge in the neck. She had to leave.

    ジョコビッチ選手が打ったボールが線審の首に当たった瞬間は、SNSでも拡散された。

    AP通信によるとジョコビッチ選手は故意に線審を負傷させたわけではないが、大会側や審判らとの長い協議のあと、ジョコビッチ選手の失格が告げられた。

    ジョコビッチ選手は、グランドスラムと呼ばれるテニス4大大会の男子シングルスで、自身18回目となる優勝のチャンスを失った。つまり今年の全米オープン男子では、グランドスラムのシングルス優勝経験者は、1人も残っていない

    2014年にマリン・チリッチ選手が優勝して以来初めて、ジョコビッチ選手以外の選手が優勝することになる。

    失格に加え、ジョコビッチ選手が今大会で獲得したランキングポイントと賞金も没収し、罰金も課すと大会側が声明を出した。

    ジョコビッチ選手はインスタグラムで謝罪を表明し、以下のように投稿した。

    「この状況を非常に悲しく、虚しく思っている。大会側に確認したところ、線審の女性は無事だということだった」

    「彼女にこのようなストレスを与えてしまい、本当に申し訳ない。あれは全く意図的ではなかったが、非常に間違った行為だった」

    「彼女のプライバシーのため、名前は公表しない。失格に関しては、自分の失望感と向き合って、選手として、人間としての成長と進化のための教訓に変える必要がある」

    「大会関係者、今回の私の行為に関わった全ての人に謝罪したい。応援してくれているチームと家族、そしていつも共にいてくれるファンの皆に感謝している。ありがとう、そして本当にごめんなさい」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子