マッチングアプリに写真が投稿できない…理由は「露出が多すぎるから」。女性が声を上げる

    人気マッチングアプリの写真ガイドラインに、女性アーティストが異議を唱えた。

    ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト、カリ・ロッコウィッツさん(31歳)は、有名マッチングアプリの利用者だ。

    ある日、カリさんは黒の見せブラとスウェットパンツを履いた写真をプロフィール画像に設定しようとした。

    しかし、「写真は運営側により削除された」とカリさんは語る。その後、何度か同じ写真のアップロードを試みたが、すぐに削除されてしまった。

    👇こちらがその写真

    「最初は何かの間違いだと思いました。だから、何度もアップロードしたんです」

    「様子がおかしいので、私はマッチングアプリに問い合わせました。すると、返信が来て『下着写真は載せられない』と言われてしまったんです」

    12月9日、同マッチングアプリの運営側からカリさんに届いた返信には「ランジェリーや下着姿の写真はアプリ内から削除されるようになっている」と書いてあった。

    「正直、信じられませんでした。この写真が他のユーザーを不快にさせるなんて思ってもいなかったので」

    彼女はその厳しい「ポリシー」に驚いたが、そこで争うのも嫌だったのでそのまま放っておいたという。

    数週間後の12月21日、カリさんは以前削除された写真と同じ日に撮影した画像をアップロードすることにした。

    今回の写真は、髪の毛で胸部が隠されており、前回の写真に比べ露出が少なかった。

    👇アップロードした2枚目の写真

    しかし、新しい写真も警告を受けた。疑問を持ったカリさんは再度、同社に理由の説明を求めた。運営側からの返信にはこう書かれていたという。

    「屋外で撮影されたビキニ写真のみアップロードを許可しています。シャツを着ていない写真も同様です。ユーザーには外で撮影するよう、お願いしています」

    続けてメールには「屋内で撮影された写真だと、下着に見えすぎる」と書かれていた。

    カリさんは、運営側からの説明に唖然とした。「馬鹿げていると思いました」と彼女は語る。

    同マッチングアプリの広報担当者は、「露出度の高い写真に対する苦情を受け、新しいガイドラインが2016年に作成されました」とBuzzFeed Newsに説明した。

    「私たちは、ユーザーからの意見に応えて、シャツを着ていない状態での鏡越しの写真の投稿を禁止しました」

    「また、そのような写真はスワイプされないことが多い、つまりマッチングする確率が低くなる」と広報担当者は話す。

    「ポリシーの一環として当社の写真ガイドラインでは、屋内で撮影された下着またはビキニ写真も禁止しています」

    続けて「水着写真はプールサイドやビーチなどの場所で『自然に撮影された状態』であれば、許可されています」と同社は発表した。

    これを受け、カリさんは「本当に、バカげていると思います。それとも、私がおかしいのかな?」と漏らした。

    カリさんは一連の出来事をインスタグラムのストーリーに投稿した。すると、彼女を援護する声が集まった。

    その後、同会社の別の担当者からメッセージが届いた。メッセージには、「この件について対応をしたいので、再度サポートチームに連絡してほしい」と書かれていた。

    そのため、カリさんは再度連絡を試みた。しかし状況は良くなるどころか、今まで何ヶ月もプロフィールに掲載されていた別の写真が削除されてしまったという。

    👇こちらが新たに削除されてしまった写真

    「アプリ側が見せしめでその写真を削除したのか、それとも本当にその写真がガイドラインに違反したのかは分かりませんが、削除された画像は何ヶ月もプロフィールに載っていて、問題はなかったんです」とカリさんは語る。

    同アプリの広報担当者はBuzzFeed Newsの取材に対し、最初の2枚の写真を調査中に、3枚目の写真を新たに削除したことを認めた。

    「写真ガイドラインに違反していたため」と担当者は説明した。

    その後もカリさんは、インスタグラムで同マッチングアプリとの状況をフォロワーに発信し続けた。

    中には、同アプリのガイドラインに沿い、カリさんの写真を屋外で撮影した風に加工した画像を送ってきてくれる人もいたという。

    この一連の出来事について、「写真の制限よりも大きな問題だ」とカリさんは考える。

    「女性が最初の一歩を踏み出せるように」を売りにしている会社にも関わらず、このようなガイドラインはその理念に反しているのではないか、とカリさんは話す。

    「同アプリは、ユーザー同士が親密になる『出会いの場所』を提供しています。それなのに、なぜ私の写真が違反になるのか…正直理解できません」


    「同社は女性の地位向上をうたっています。しかし、このようなことがあると、アプリを使用したいとは思わないです」

    「ガイドラインを制定するのであれば、場合に応じ臨機応変に対応するべきだと思います」

    「特にこのような問題は、全ての判断をコンピューターに任せることは出来ないと思っています」とカリさんは語った。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン