意識高い系をバカにしている。生放送中、政権とテレビ局を批判した出演者が話題に

    英テレビの情報番組にコメンテーターとして出演した女性が生放送中、政府と大手メディアを痛烈に批判した。その主張にネットで称賛の声が集まっている。

    テレビ司会者でコメンテーターのアシュリー・ジェームズが、イギリスの情報番組に出演。英政府と大手メディアを痛烈に批判した。

    アシュリーが出演したThis Morningで、英下院議員のペニー・モーダント氏が、トランスジェンダーなどに配慮した「ジェンダー・ニュートラル(中立的)なことば」の使用を、行政機関は避けるべきだと言及したニュースを報じた。

    元政治家で、同じく番組に出演したジャイルズ・ブランドレスは、コメントを求められ、「ロンドンの病院の看護師が、母乳(breastfeeding)ということばの代わりに、授乳(chestfeeding)と使うよう指示されたと聞いた」と主張。

    すると、アシュリーはジャイルズの話を遮るようにして、それは「事実ではない」と反論した。

    「私も昨年出産し、いまも母乳を与えています。医師のガイドラインには、トランスジェンダーの人々に対して、”母乳"の代わりに、"授乳"ということばを使うよう明記されています。授乳ということばの方が、インクルーシブだと思いますし」

    「誰も"母乳"ということばを禁じようとはしていません。むしろ政府は、(こうしたことばの用法から)価値観の衝突を煽っている」

    「ウォーク(woke)ということばがあるでしょ?『社会的な不平等や差別に敏感であること(またはその人)』という意味がある。それはとても良いことです。ウォークであることは、とてもいいことなのです」

    「しかし、ウォークは悪いニュアンスで使われてます。ことばが独り歩きしている。スノーフレーク(snowflake)と同じように」

    Snowflakeとは、社会に対して高い意識を持つ人、独自の主張を声高に展開する人は、感情的で、反対意見の聞く耳を持たないと揶揄したことば。

    wokeと同様、日本語でいう「ポリコレ(=ポリティカル・コレクトネス)」と似た意味を持つ。

    「逆にウォークを恐れている人こそ、ポリコレ主義者だと思います。そうしたことばに対し、不快感を抱いているのですから」

    「ウォークはただ、さまざまな人々の想いを考えて、社会がもっと平等になるのを試みています」

    「例を出すと、親ということばがありますよね。パパ、ママ、父、母ということばの代わりに、親(parent)と言おうという動きがあります」

    「そうすれば、男性または女性、という枠組みに当てはめる必要がなくなります。親とだけ言えば、母親または父親の役割を奪うこともないですし。害もありません」

    「もちろん、母ということばもリスペクトしています。私も子どもに母乳していますから。ただ誰も私に、chestfeedingということばを使いません」

    「私にはトランスジェンダーの友人がいますが、(ことばの区別で)誰も不快に感じてませんよ」

    「だから、政府やメディアは、物事が行きすぎだと人々に思わせるために、こうして価値観の衝突を煽るのが、好きなんだと思う」

    Xでは、アシュリーの発言を切り取った動画が拡散され、1000万回以上再生された。9万件近い「いいね」も集まっている。

    ALLY-SHIP IN ACTION.

    👏🏽👏🏽👏🏽@ashleyljames pic.twitter.com/thzyS00W93

    — bally singh (@putasinghonit) April 10, 2024
    ITV / Via Twitter: @putasinghonit

    「アライ・シップな行動👏👏👏」

    アライ(=多様な性のあり方に理解のある非当事者で、支援者、応援者のこと)

    コメント欄には、アシュリーへの称賛が寄せられている。

    💬「新たなスターが降臨した。他の出演者がみんな、目を丸くして、静かに、あ然とした表情で聞いている」

    @davidmackau

    💬「すばらしい。とてもシンプルで簡潔なロジック。常識や理性、そして基本的な視点で判断すれば、政府の煽動がいかにデタラメか分かる」

    @LKirwanAshman

    💬「最近、トランスフォビア(=トランスジェンダーへの恐怖)的な発言をよく耳にしていた。今回の発言は、テレビというマスメディアに、新しい風を吹かせたと思う。ウォークについての発言は、非常に考え抜かれたものだった」

    @iamLeFil

    アシュリーは自身のSNSで、当該シーンを切り取った動画を投稿し、こうつづっていた。

    「『ウォーク』ということばが、意図的に誤解され、独り歩きしているのに、辟易(へきえき)している人はいないでしょうか」

    「保守政党は、メディアと手を組んで、価値観の対立に持ち込もうとしているのではないか」

    「誰も、パパやママということばをなくそうとしていない。ただ、親ということばを使うことが求められている。私の友人のように、シングルで養子縁組をした親、子を持つ同性カップル、さまざまな形が含まれている」

    「こうした家族、特にその子どもたちにとっては、(こうしたことばの使い方が広がれば)家族が社会から受け入れられていると感じられるのに」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙島海人