YouTubeは米国時間9月19日、ユーザー認証プログラムを更新すると予告した。ところが、YouTubeに依存しているユーザーやブランドの素性を今後どう確認していくのかについて、更新内容が明確には説明されなかった。
これを受け、YouTubeのクリエイターたちがTwitterで認証チェックマークを剥奪されるとYouTubeを非難したため、YouTubeの思惑に反してハチの巣をつついたような大騒ぎになった。
BuzzFeed NewsがYouTubeにコメントを求めたところ、チャンネル認証プログラムの更新に関するブログ記事(関連するYouTubeの日本語ブログ)が示された。
その米国時間9月19日付けブログ記事によると、更新の目的は、何が認証されるのかを分かりやすくするためだという。そして、あるチャンネルがクリエイター、アーティスト、ブランドの公式チャンネルであると見分けやすくする新しいデザインを導入したのだ。
新デザインでは、これまで表示されていたチェックマークに替わり、チャンネル名の横に灰色のボックスが表示される。
更新が実施されるその週まで、チャンネル登録者が10万人以上いれば、誰でも認証チェックマークの付与をYouTubeに申し込めた。それが、YouTubeは「正真性を保証する明確な必要性」のあるチャンネルに限って認証するというのだ。
クリエイターにとって、認証されるかどうかは大問題である。プログラムが見直されると、クリエイターは認証されなくなり、YouTubeから分け前がもらえなくなってしまう。
認証プログラム更新の正しい情報を求めようとして19日に起きた混乱は、YouTubeから一部クリエイターに届いたメールを切っ掛けに広まったらしい。メールには、各クリエイターの認証状況が説明されていた。
チェックマークを取り上げられるクリエイターには、YouTubeから次のようなメールが届いた。「YouTubeチャンネル認証プログラムにおける認証基準の更新をお知らせします。残念ながら、あなたのチャンネルはこの更新により認証基準を満たさなくなります」
明らかに、これが騒ぎの原因だ。ミドルクラスのインフルエンサーたちは、自分のチャンネルが危険にさらされるとパニックに陥った。
YouTubeは補足説明する羽目になり、19日に認証バッジを剥奪される人はいない、とした。YouTubeによると、バッジを取り上げられるという内容のメールは予告であり、クリエイターはその判断に異議を申し立てられるそうだ。
この件に関するYouTubeの補足説明は、ソーシャルメディアで表明されたユーチューバーたちの怒りをほとんど鎮められなかった。
「今日 @YouTube から認証されなくなるクリエイターたちに心から同情する。YouTubeの決定は的外れだし、誰もこんな変更を求めていない。チェックマークが消された人も、クリエイターである事実は変わらない」
「下らないチェックマークになんて惑わされないで。今回の変更で非認証になっても、YouTubeは申し立てられるって書いている」(メイクアップ・アーティストでインフルエンサーのジェームズ・チャールズ氏によるツイート)
19日に発表された更新内容の説明によると、YouTubeで活動しているミュージシャンの表示名に小さな音符マークがつけられる、という変更もあるそうだ。
ユーチューバーは、YouTubeの実施する変更に以前からとても敏感だった。レコメンデーションのアルゴリズムがどのように機能しているか見えないため、多くのクリエイターは常に活動場所を失う恐怖から逃れられずにいた。
「認証チェックマーク自体はどうでもいいのだけど、私のビデオに認証済みチャンネル運営者からのコメントが書かれると通知される機能のおかげで、ほかのクリエイターとたくさん友達になれた。私のバッジが復活したとしても(異議を申し立てた)、YouTubeにはむかつく。だって、中規模チャンネルの多くはバッジを取り戻せないだろうから」(ユーチューバーのシエラ・シュルツィ氏が19日に投稿したツイート)
騒ぎの起きた週末、YouTube最高経営責任者(CEO)のスーザン・ウォシッキー氏が対応にあたった。ウォシッキー氏は連続してツイートし、クリエイターが申し立てなくても認証したままにする、と説明した。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:佐藤信彦 / 編集:BuzzFeed Japan