学校で暴行を受け、映像が拡散…14歳少女が自殺。保護者や教員らが学区の対応に抗議

    アメリカ・ニュージャージー州で14歳の女子生徒が死亡した事件。学校の監視カメラにいじめの様子が記録されていたにもかかわらず、元学区長が自殺の原因は「家庭でのトラブル」だと発言し、批判を受けて辞任した。

    アメリカ・ニュージャージー州で2月2日、14歳の女子生徒が自ら命を絶った。学校でのいじめが原因だとみられている。校内に設置された監視カメラの映像から、4人の生徒が暴行の容疑にかけられている。

    生徒が通っていた学校の近くでは2月15日、近隣住民や生徒、教員、保護者らが集まり、ここ何年も学校側や学区がいじめに真剣に対処していないと抗議した。

    Facebookのグループには400人以上が参加し、「学校側や学区がいじめの実態を無視するのがパターン化しており、女子生徒の死の責任の一端を担っている」と訴えている。

    監視カメラの映像によると2月1日、女子生徒が恋人の男子生徒と学校の廊下を歩いていたところ、複数の生徒から暴行を受けた。他の生徒らもその様子を傍観しており、一部を収めた動画がソーシャルメディアで拡散された。2日後、女子生徒が自宅で死亡しているのが発見された。

    BuzzFeed Newsが地元検察に問い合わせたところ、生徒4人が加重暴行罪や共謀罪などで起訴された。18歳未満のため、氏名は公表されていない。 

    事件を受け、地区のトリアンタフィロス・パルラパニデス教育長が自殺の原因は「家庭でのトラブル」と発言。この対応に批判が集まり、同氏は辞任した。

    同氏はメディアのメール取材に対し「女子生徒の成績は(日本での中学1年生と2年生にあたる)7年生と8年生で低下していた」と回答。加えて、家庭の事情について触れ、薬物の問題があるという可能性を示唆していた。

    報道を受け、父親は女子生徒に薬物の問題はなかったと米メディアに抗議している。

    この学区に通う子どもを持つ保護者の1人は、「いじめは何年も問題になっていた」と訴える。

    「この学区の学校に通う自分の子どもたちの将来が心配です。今学校に通っていて、いじめられているのに、何の対処もしてもらえないすべての子どもたちのことも気がかりです」

    「怖くて声を上げられない生徒もいます。私たち保護者が、その子たちの声にならなければいけません」

    親族の1人は女子生徒ついて「唯一無二の存在だった」と、Facebookに投稿した。

    「彼女は、幸せで、おもしろくて、頑固で、力強い女の子でした。動物が大好きで、すぐに友達をつくることができて、よく絵を描いていました。夏にうちに来るときは、お兄さんやうちの犬と走りに行っていました。いつも新しい趣味に挑戦しては、すぐ飽きるけど、そんな美しい子でした」


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    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子