「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」のアリシア・ライナー、移民収容施設のシーンで号泣

    ネットフリックス(Netflix)ドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」は女子刑務所が舞台。ライナーが演じる役は刑務所所長でしたが、今シーズンでは移民収容施設所長を勤めています。

    女優であり活動家でもあるアリシア・ライナーはおそらく、NETFLIXで配信中のドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』で刑務所や移民収容施設の所長を演じてきたことで一番よく知られていますよね。

    そんなライナーがこのほど、最終シーズンの撮影がどれだけ大変だったかについて、BuzzFeed Newsに率直に語ってくれました。最終シーズンでライナーは、精神的に完全にまいってしまい、セットで感情的になってしまったそうなのです。

    最終シーズンとなる第7シーズンでは、米移民・税関捜査局(ICE)による影響を受けている人たちにスポットを当てています。

    ライナーは番組で「ナタリー・“フィグ”・フィゲロア」を演じていますが、全シーズンを通じて、現実的な態度を貫き通すという役柄です。今シーズンでは、フィグはICEの収容施設で所長をしているという設定になっています。

    ライナーは、国境で危機が起きているこのさなかにICEの話を撮影するのは、精神的に大変だったと話しました。セットに作られたICE収容施設内にある裁判所に入って行くシーンで数テイクを撮影したときを振り返り、「単に架空の状況」なのに感情的にかなり堪えたと話しました。

    「私の役は、精神的に参ったりはしない。自分を抑えてきちんとやってのける女性なんです。でも2つテイクを撮った後、人生で初めて、撮影を止めてしまったんです。息ができなくなって、涙が止まらなかった。そこで何が起きているのかと考えただけで」

    「本当に胸が痛い」とライナーは話しました。

    ライナーはまた、番組の脚本家たちが難しい題材に対して「すばらしい」取り組みをしたと話し、中には正確に描写しようと実際に収容所にまで足を運んだ人もいたことを明かしました。また、このシーズンで描かれていることは、「実際に起きていることよりずっとマシ」だと脚本家から聞き、「落ち込んでしまう」とライナーは加えました。

    番組の脚本家であるキャロリーナ・パイズは7月、収容施設内の環境についてBuzzFeed Newsに意見記事を書きましたが、その時に「待機室は大きく、防弾仕様の水槽」のようだったと描写していました。

    「中には、テーブルとベンチが床に固定されていた。上にチェス用のボードが置かれていたテーブルもあったが、チェスのコマはなかった。独房が壁沿いに並び、その中には囚人服を着た人が退屈そうに金属製のベッドに横たわっていた」とパイズは書いていました。

    「私たちが通り過ぎると、彼女たちは振り返ってこちらを見ていた。私たちは、被災地を好奇心で訪れる観光客とは違うんだというフリをするべく、じろじろ見ないようにした」

    「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」ではまた、通話料無料の相談電話も取りあげられていました。この番号は実際に、収容センターに身柄を拘束されている人が弁護士を見つけるために使われていたものです。とはいえ、番組で取り上げられた後、この相談電話は廃止されてしまいました。

    ライナーは、もし視聴者の人たちが番組を見て心を動かされたなら、「みんな自分の地区を代表する代議士に、こんなことではダメだって言うべき」だと話しています。

    「相談電話は、センターに収容されている人たちにとって必要なもの。廃止だなんてひどい。まったく間違っている」

    ライナーはまた、世の中に違いを作るための活動もしており、国境のところにある、ICEに身柄を拘束された人たちのためのシェルターもこれまで訪問してきました。また、アメリカに家族がいないものの難民申請を希望する人たちに避難所を提供するために、支援団体アクション・ポットラックと協力もしています。

    アリシア・ライナーのインタビュー全容(英語)は下記のビデオでご覧いただけます。

    video-player.buzzfeed.com

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:松丸さとみ / 編集:BuzzFeed Japan