【写真】酸を顔にかけられた人たち そのありのままの姿

    それは、どこにでもある悪夢。

    ソニーが支援する世界最大規模の写真コンテスト「Sony World Photography Awards 2016」。大賞を受賞したイラン人写真家のAsghar Khamsehの作品は、イランでアシッドアタック(酸による攻撃)にあった人たちのポートレートの連作だ。

    写真には、顔が崩れてしまった人たちの顔や体が写されている。Khamsehさんは、酸攻撃の悲惨さを多くの人に知ってもらいたいと考え、1年を費やして犠牲者たちの姿を撮影した。

    「この手の暴力は、特定の国や地域に特有のものではなく、世界中に存在しています」と、KhamsehさんはBuzzFeed Newsの取材にメールで答えた。「アシッドアタックの犠牲者を支援する組織はまだありません。一部の支援者がいるだけです」

    Shirin Mohamadi(18歳)

    4年前、プロポーズを断った相手から、酸を浴びせられた。右目、鼻、口と片方の耳は損傷がひどい。何度もの手術を受けたが、完治には程遠い。

    Mahnaz Kazemi(39歳)

    たびたび夫から暴行を受けていた彼女は、離婚を決意した。気づいた夫は、彼女に酸を浴びせた。左目と耳を片方失った。

    Raana Por Amrai(38歳)とFatemeh Qalandari(8歳)

    息子が離婚したのは彼女たちのせいだと思い込んだ、義理の家族に、酸を浴びせられた。母親は、顔、目、手と首の一部を火傷した。娘の背中と腕にも重い火傷がある。

    Raana Mehri(29歳)

    母との写真を手にしている。2011年、母が離婚を持ちかけると、父に酸をかけられた。手術の甲斐なく、母は去年、亡くなった。娘のMehriも片目を失った。

    Masoumeh Atai(32歳)

    夫と離婚して2年後、元夫の父親が彼女に酸を浴びせた。元夫との復縁を断ったからだった。彼女は両目を失った。

    Zivar Parvin(37歳)

    夫を亡くしたParvinは、プロポーズを断った。そのことが、彼女と18歳の娘Yasraが酸を浴びせられる原因となった。母は片目を失い、写真に写っている娘は、2週間後に亡くなった。

    Maryam Zamani(38歳)とArezo Hashemi Nezhad(13歳)

    Zamani (左)とその3人の娘は寝ている途中に、酸をかけられた。

    Mohsen Mortazavi(34歳)

    2012年、同僚に16回刺され、酸を浴びせられた。同僚は、自分が受けていたいたずら電話が、彼の仕業だと疑っていた。片目を失明した。

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