インクで描き出すこころの不調のイラストたち

    「必要な時は、恐れず助けを求めよう」

    ショーン・コスは米オハイオ州出身の33歳のプロの画家だ。今年10月、コスはInktober(インクト―バー)として知られるイベントに参加した。10月のひと月の間、世界中のアーティストが1日1枚、インク画を制作するイベントだ。

    昨年、コスは映画 「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」のキャラクターたちを描いた。今年は、ファンからの提案で、様々なメンタルヘルスの症状をイラストにすることにした。

    彼のイラストのスタイルはダークだ。今年のInktoberも、そのスタイル貫いた。

    イラストの制作に没頭する前に、症状について研究した。ファンたちの提案を聞いて、一つのイメージに凝縮させていく。

    そしてCossは、ファンたちとつながりが持てるようにと、Facebook Liveでイラスト制作の様子を生で放映する。

    コスはこのプロジェクトへの反響は「想像を絶する」ほど大きなものだったとBuzzFeed Newsの取材に語った。

    「反応はおおむね肯定的ですが、中には僕の絵のスタイルのせいで障害を『センセーショナルに、大々的に表現しすぎている』と言って、肯定的な受け止め方の流れを遮ろうとする人もいます」

    最初は、自分の作品のスタイルを守る必要を感じた。最終的には、自分が好きなアートを作成し、それがほかの人たちにも受け入れられることに満足感を得たという。

    こうした症状を描くうえで難しいのは、症状の受け止め方は人それぞれで、主観的であることだという。

    「ある障害の描写が実際からかけ離れているとコメントする人もいれば、まさにドンピシャだという別のコメントがあります」

    コスは自分の Facebook ページ 上でイラストをシェアしている。そして、「必要な時は、恐れず助けを求めよう」とメッセージを添えている。

    コスはファンたちが作品を楽しんでくれること、そして作品がファンたちの心の病を助けることにつながれば「それを100%支持します」と語る。

    「誰もがいろんなレベルで精神的な不調の影響を受ける。今回の経験が僕にとって、メンタルヘルスの世界への新しい扉を開いてくれるかもしれない。その一方で、インターネットという深遠に消え去っていくのかもしれない」。

    彼の作品がもっと見たい人は、InstagramFacebook、またはウェブサイトをのぞいてみよう。