真っ暗な画面に突然「ありがとう」の文字。学生のサプライズに教授も大感動👏

    オンラインで大学の授業を行なっていたある男性教師。学期最後の授業にも関わらず、学生たちのカメラは全員オフになっていました。しかし突然、画面に映ったのは…?

    アメリカ・ニュージャージー在住のアダム・シュレイガーさん(54)は、日中は高校で教鞭をとり、夜は大学で授業を受け持っている。

    12月2日、大学で今学期最後の統計学の講義をした。それは、忘れられない講義となった。

    「授業で使うZoomにログインしたのですが、画面には誰の顔も映っていませんでした。学生たちはこれまでカメラをオンにして授業を受けていたので、いつもとは様子が違っていました」と、シュレイガーさんはBuzzFeed Newsに語った。

    シュレイガーさんは当初、接続の問題で画面に誰の顔も表示されないのだと思っていたという。

    しかし突然、学生全員が一斉にカメラをオンにした。

    そこに映っていたのは、手書きで「Thank you(ありがとう)」と書かれたカードだった。

    学生のひとり、ベロニカ・マクロスキーさんはその時の様子を動画に撮り、TikTokに投稿している。

    @vizzywap

    during these tough times it’s important to show extra appreciation! #fyp #foryoupage #zoom #dontletthisflop #college #covid #professor #thankyou

    ♬ original sound - James Blake

    動画の冒頭、シュレイガーさんは全員の顔が映らず心配そうな表情だった。次の瞬間、画面いっぱいに各学生からのメッセージが表示された。「こんな嬉しいことはない」と喜んだ。

    カードには「私の好きな教授の中のうち、99%はあなたです」「いつも最高の教授でいてくれてありがとう!」といったメッセージが書かれていた。

    あまりの嬉しさに、シュレイガーさんの口から「みんな期末テストは免除!」という冗談まで飛び出した。

    この出来事は、シュレイガーさんにとって素晴らしいサプライズだった。教員としてのキャリアで最も大変だった学期に起きた、とても感動する瞬間だったと語る。

    学生からのサプライズについて、シュレイガーさんはこう語っている。

    「素直にとても感動しました。素晴らしかったです」

    「自慢のように聞こえるかもしれませんが、オンラインという環境下で授業を行うのに相当な努力をしました。それが認められた証拠だと思います」

    シュレイガーさんは後に、一連の出来事を自身のフェイスブックに投稿した。

    「ただ椅子に座ってコンピューターを見つめ、人と話すだけの毎日でした。成績を付けたり、子ども達と会ったり、オフィスアワーを設けたり…全てをコンピューター上で行いました。それがしたくて教員として働いているわけではありませんし、教師の仕事はこんなものではありません」とシュレイガーさんは語る。

    前学期とは違い、今学期の学生たちとは一度も直接会うことがなかったという。

    シュレイガーさんはZoom授業で全力を尽くしてくれたと、今回のサプライズを企画したキャサリン・デ・オリヴェイラさんはBuzzFeed Newsに語る。

    「学期の初めから教授はとても前向きで、学生たちのことを気遣っていました。みんなをとてもよく見ていて、(誰かの後ろで)知らない学生が通りかかった時は、その学生が誰かを知りたがっていました」

    「学期を通して、みんなの弟や妹と話したり飼っているペットを見たり、みんなで一緒に夕日を見るなど、教材を超えた体験ができました」

    オリヴェイラさんによると、最後から2番目の授業を受け終わったあたりで今回のサプライズを思いつき、クラスのグループチャットで提案したという。

    実際どれくらいの学生が参加してくれるかはわからなかったが、ほぼ全員がシュレイガーさんに向けてメッセージカードを作っていたため嬉しかったと、彼女は語った。

    この話はネット上で大きく拡散され、投稿されたTikTokは500万回再生を突破している。

    「(拡散されたのは)嬉しいですし恐縮ですが、何よりも一番良かったのは、この話が人々の生活を少しでも明るく照らす手助けになったことです」と、オリヴェイラさんは語った。

    シュレイガーさんは世界中から、とりわけ教師たちから、明るいメッセージを受け取ったという。

    「あの瞬間が収められていて嬉しいです。短くとも素晴らしい動画になりました」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:吉谷麟