【写真】ブラジルの急速な高齢化を表す15のポートレート

    若々しいイメージには、高齢者が増え続けている事実が抜け落ちている。

    ブルーノ・マンシネッリの写真シリーズは、ブラジルの変わりゆく人口動態の投影だ。肌がつやつやで、年齢を感じさせず、ビーチに人々が集まる国としてのブラジルのイメージ。その中でマンシネッリのポートレートには、見過ごされている高齢者たちの姿が写し出されている。このイメージには、驚きの事実が伴っている。

    WHOによる、世界の健康および高齢化に関する報告書によると、ブラジルの60歳以上の人口は、世界の平均よりもはるかに速いスピードで増加する見込み。2050年までに、高齢者の数は世界で2倍に増加する一方で、ブラジルでは3倍近くになる見込みなのだ。

    ブラジル人の平均寿命が長くなる一方、この国の出生率は減少してきている。15年以上にわたって、ブラジルの出生率は「人口置換水準」を下回っている。つまり、平均的な夫婦は2人未満の子どもしか産まないということだ。一方、人はより長く生きるようになっている。この方程式を解くと、この国では高齢者の割合が急速に増える変化が起こるということだ。

    フランスなどの国々が高齢社会になるまでには100年かかっている一方で、ブラジルでは、このプロセスが数十年の期間で起きようとしている。