頭を歩道に叩きつけ、何度も膝蹴り…。警官たちが男性の拘束時に暴行、通行人が撮影

    動画はアメリカ・アーカンソー州で通行人が撮影した。警官1人と保安官2人は、職務を解かれている。

    アメリカ・アーカンソー州で8月21日朝(現地時間)、警官1人と保安官2人が男性を拘束する際に頭を殴ったり何度も体を蹴りつけるなどしている様子を、通行人が動画に収めた。3人は懲戒処分を受けており、当局の捜査も始まった。

    SNSで拡散された動画には、警官たちが裸足の男性を地面に押し付けて拘束する様子が映っている。

    男性の顔を繰り返し殴り、頭を歩道に叩きつけ、膝蹴りをしているのが確認できる。

    撮影者とは別の女性が、3人に向かって「殴らないで! 彼は薬が必要なの」と叫ぶと、警官の1人が「下がっておけ!」と叫び返す。

    3人のうち2人はクロウフォード郡保安局の保安官で、停職処分となった。もう1人はマルベリー警察署の警察官で、休職処分になっている。

    クロウフォード郡保安局は「すべての保安官の行動に責任を持ち、今回の件に関しても適切な措置を講じる」と声明を出した。

    マルベリーのゲイリー・D・バクスター市長は声明で「動画を見て衝撃を受け、気分が悪くなった」と述べており、すぐに対策をとると述べている。

    「マルベリー市民とマルベリーを訪れる人々に、ここの警官はすべての人に尊厳と敬意をもって接すると保証したい」

    地元検察の要請により、アーカンソー州警察が映像を元に事件を捜査している。

    当局によると、拘束されていた男性はサウスカロライナ州在住の27歳。近くの病院で治療を受けたあと、クロフォード郡拘置所に連行された。

    クロウフォード郡のジミー・ダマンテ保安官が地元テレビ局に語ったところによると、事件前、近くのガソリンスタンドの店員が、男性から脅迫を受けたと警察に通報したという。

    男性がガソリンスタンドを出て、現場前のコンビニまで自転車で移動し、そこで警官と保安官らに拘束された。

    男性は初め聞き取りに協力していたが、その後攻撃的になり、動画はこの時点以降から録画されているとダマンテ保安官は話す。1人の保安官は頭に軽い怪我を負ったという。

    男性は、第2級暴行、第1級および第2級傷害などの容疑で拘留されている。拘置所の記録によると、保釈金は彼は1万5000ドル(約200万円)。弁護士の有無は明らかになっていない。

    警官や保安官らのボディカメラなど、追加で映像証拠があるかは不明だ。

    クロウフォード郡保安局とマルベリー警察署は、コメントの要請に応じていない。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子