なぜ「黒人の命は大切」か知るため、今見るべき37枚の写真

    ここで紹介する数々の写真は、アメリカにおける人種差別撤廃のための長い激動の闘いを捉えている。1917年の「サイレント・プロテスト(沈黙の抗議)」から、最近のジョージ・フロイド氏の死亡事件を受けた「Black Lives Matter」デモまで、100年を知るための37枚だ。

    ミネアポリスでジョージ・フロイド氏が警察の拘束下で死亡し、アメリカ中、そして世界中で抗議の声が上がっている。力強い画像や映像も、世界中を飛び交っている。

    これらの写真や映像は、「今後の公民権運動」を定義し、「アフリカ系アメリカ人の市民的自由を求める闘い」を未来の世代が形づくる基礎となる。

    2016年、ルイジアナ州バトンルージュで、アフリカ系男性のアルトン・スターリング氏が白人警察官2人に撃ち殺された。この事件の後、歴史家のマーク・スペルツ氏は、「現代のアメリカ人の多くは、写真を通じて公民権運動を学びます」と〈Time誌〉に書いている

    「現代アメリカの公民権運動を定義する写真は、この国の過去を視覚的に物語るうえで欠かせない試金石です」

    公民権運動の長い歴史は、写真で辿ることができる。今回は、何十人もの黒人が殺され、何千もの人が家を失った「イースト・セントルイスの人種暴動」を受けて、何千もの人がマンハッタンの通りを埋めた「サイレント・プロテスト(沈黙の抗議)」(1917年)から現在までの100年間に焦点を当てる。

    1917年に行われた「サイレント・プロテスト(沈黙の抗議)」から約1世紀後の現代でまったく対照的なのは、2014年に米ミズーリ州ファーガソンでマイケル・ブラウンさん(当時18歳)が白人警察官に銃殺された後に撮られた写真だ(以下参照)。

    1963年の「ワシントン大行進」や1965年の「セルマ大行進」(別名:「血の日曜日事件」)のときのような、1960年代の公民権運動が活発だった時代の闘争を思い起こさせるような武力で、2014年にデモ参加者は向かい撃たれた。

    これらの写真は、この何十年で事態がほとんど変わっていないことを明らかにしている。

    「(1960年代から)何十年経っても、(今回生まれた)Black Lives Matter運動の(画像や)動画は、過去から続く抗議や運動の視覚的な物語の上に積み上げられます」とスペルツ氏は2016年に書いている。

    ここで紹介する写真では、アメリカにおける公民権運動の100年を振り返る。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:五十川勇気 / 編集:BuzzFeed Japan