加熱報道は「通過儀礼のようなもの」。ヘンリー王子、メーガン妃への執拗な取材に「王室は助けてくれなかった」

    元イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃にフォーカスした、Netflixのドキュメンタリー『ハリー&メーガン』が配信中です。マスコミの執拗な取材に追われていた交際時、他の王室のメンバーは非協力的だったと作中で2人が語りました。

    2020年にイギリス王室を離脱したヘンリー王子とメーガン妃。ヘンリー王子は、交際当時のマスコミによる執拗な報道を、「イギリス王室の女性たちが必ず経験する儀礼」だったと表現しました。

    一方で、イギリス王室側はメーガン妃に寄り添うことなく、人種差別に当たる発言をしていたと主張しました。

    ヘンリー王子が語ったのは、12月8日に第1〜3話が公開された、Netflix作品『ハリー&メーガン』第2話での一幕。

    2002年の俳優としてデビューしたメーガン妃。2011年には大人気ドラマ『SUITS/スーツ』にメインキャストの1人として登場し、注目を集めました。

    そんなメーガン妃は、2016年にヘンリー王子と出会います。その年の10月、2人の交際がメディアで報じられました。

    2人の関係が世界的に報じられるやいなや、メーガン妃はメディアの注目の的に。

    当時、『SUITS/スーツ』の撮影中だったにもかかわらず、カナダ・トロントのメーガン妃の自宅前に張りこむパパラッチも少なくありませんでした。

    メディアが追っていたメーガン妃の報道は、「王室の新恋人」というより人種差別的なものだったと、ヘンリー王子は番組で振り返っています。

    ヘンリー王子が、当時の記事のタイトル「ヘンリーの新恋人はカリフォルニアの有色人種が多く住む地域出身。しかもそこは犯罪多発地区だった…」と引用すると、メーガン妃はこう返します。

    「確かにカリフォルニア出身だけど、私はその地区出身じゃない。そこに住んだことすらない。事実無根です」

    『ハリー&メーガン』は、Netflixで2022年12月8日(木)より独占配信スタート。 VOL. I: 12月8日(木) VOL. II: 12月15日(木)

    Twitter: @NetflixJP

    加熱報道に、王室は非協力的

    こうした加熱報道に対し、王室のメンバーは肩を持つどころか、共感を示すこともしてくれなかった、とヘンリー王子は主張しました。

    「メーガンが経験したようなメディアの執拗な付きまといを、私の家族、つまり王室の多くのメンバーも、過去に同じように経験しています」

    「だから、ほとんど『通過儀礼』のようなものでした」

    「王室側からは、こんな質問も受けました。『私の妻だって、メディアの報道で散々な目に遭ったのに、どうしてメーガンは擁護しないといけないのか?』『なぜメーガンだけ特別な扱いを受けているのか?』『メーガンが守られなきゃいけない理由は?』」

    「だから私はこう言うしかなかった。『決定的な違いは、人種の部分じゃないですか?』と」

    ウィリアム皇太子の妻・キャサリン妃も何年もの間メディアに追いかけられ、自身の家庭が中流階級であることを理由に、「皇太子との結婚は相応しくない」といった旨の批判報道を受けました。

    一時、自殺も考えていたというメーガン妃

    メーガン妃自身も、自身に対する加熱報道に王室は非協力的だったと明かしています。2021年3月、CBSの特別番組に出演しインタビューに答えました。

    「『これ(加熱報道)は、私たち全員が経験している』と言われました」

    「ケイト(キャサリン妃の略称)は、ウィリアム(皇太子)との結婚を長年待っていた。だから『ウェイティ・ケイティ(結婚を待ち望むケイティ)』と呼ばれていました」

    「そう呼ばれながら、結婚の機を待つ。本当に大変だったと思います。でも、私には実際どのような気持ちだったかはわかりません。だって、私の場合はもっとひどい扱いでしたから」

    「王室が、『私たちは失礼な報道に対処しなければならなかった』とお気楽な感じで言いますが、その『失礼』と人種差別を同じにしないでほしいです」

    メーガン妃は、当時1歳だった息子アーチーの肌の色を「懸念」する会話が王室内で交わされていたとも明かしています。

    「生きたくないと思った」と、自殺を考えていたことも語りました。

    現在、第3話まで公開されている『ハリー&メーガン』。12月15日に第4〜6話が公開予定です。

    『ハリー&メーガン』VOL. IIは、Netflixで2022年12月15日 (木)より独占配信スタート。 VOL. I: 独占配信中 VOL. II: 12月15日(木)

    Twitter: @netflix

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙島海人