BTSの新曲「Permission To Dance」が伝える希望。私たちは、幸せになっていい

    大ヒット中の新曲「Butter」とともにリリースされた「Permission To Dance」。所属レーベル、BIGHIT MUSICによるとこの曲は、ついてない1日を過ごした人や、現実に直面して落ち込んでいる人たちのための曲だという。

    昨年11月にリリースされたシングル 「Life Goes Onで、BTSメンバーは励ましの手を差し伸べた。

    「目を閉じて/僕の手をとって」と歌い、サビに入る。「未来へ、さあ抜け出そう」

    最新シングル「Permission to Dance」とともに、その未来がついにやってきたように感じられる。

    エド・シーランがジェナ・アンドリュース、スティーヴ・マック、ロックバンド「スノウ・パトロール」のジョニー・マクデイドと共作したこの曲は、どこまでも弾むピアノの旋律と、気持ちが高まる歌詞に満ちている。

    BTSの所属レーベル、BIGHIT MUSICによると「Permission to Dance」は、ついてない1日を過ごした人や、現実に直面して落ち込んでいる人たちのための曲だという。

    デビューから8年、BTSは人々に安らぎを与えてきた。

    しかしこの2年は新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、世界各地で行う予定だったスタジアムツアーの無期限延期を余儀なくされた。RM、ジン、SUGA、J-Hope、ジミン、V、ジョングクは、BTSファン=「ARMY」に、絶望からの救いを与えるという新しい使命に精力的に取り組んだ。

    「Permission to Dance」は、昨夏大ヒットした「Dynamite」、ビルボード1位獲得のシングル「Butter」、11月発売のアルバム、BEを含む、パンデミック中に生まれたグループの制作シリーズの最新シングルだ。

    「僕が聴いて育った曲のほとんどは、絶望の中での夢、希望、内省について語っていました」と、ラッパーのSUGAは、グループが「Butter」をリリースした5月、BuzzFeed Newsに語っている。

    「そんな感じの曲に影響され、今の僕になったんです。だから今度は、僕もそういう影響を与えたい」

    昨年の音楽が、気晴らしや仲間意識、憂鬱さの理解を与えてくれた一方で、「Permission to Dance」は、別のタイプの心地よさを感じさせる。「Life Goes On」で約束された未来がすぐそこまで来ている、というような希望だ。

    その希望は、至るところで、たくさんの紫色の風船としてミュージックビデオに現れる。紫色は、BTSとARMYのテーマカラーだ。

    「Premission to Dance」のティザービデオで見られる新聞の見出しには、「希望の前触れである紫色の風船は、新型コロナウイルスの終焉を表している」と書かれている。

    新曲「Butter」とそのCD版収録曲である「Permission to Dance」は、7月9日にリリースされた。2013年7月9日は、グループのファンに正式名称ARMYがつけられた日であり、ファンたちは毎年、この日を記念日として祝っている。

    「Permission to Dance」はまた、地球全体の多様な人々にスポットライトを当て、より広い規模でコミュニティを祝っている。曲に込められた希望のメッセージは、例外なく、誰にでも宛てられているからだ。

    希望とともに、曲に込められた「包括性」のメッセージは、ダンスにも反映されている。間奏では、「ダンス」「楽しさ」「平和」を表す国際手話が振り付けに取り入れられている。

    ビデオ全体でサービスワーカーに特にスポットライトを当てている点も、2018年のBTSの曲「Anpanman」のメッセージを思い起こさせる。タイトル通りアンパンマンにインスパイアされたこの曲は、ファンの人生をより良いものにするために全力を尽くすというメンバーからの約束だった。

    このパフォーマンスを初めて披露したとき、彼らは日常生活のスーパーヒーローである消防士と建設労働者の制服に身を包んでいた。

    新型コロナウイルスの世界的流行まっただ中の2020年にも、アメリカのテレビ番組「Today Show」で再びこの曲をパフォーマンスした。医療従事者が最前線のヒーローとして歓迎されていたときである。

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    「Anpanman」のパフォーマンス

    「Permission to Dance」でも、時事性に絡めたパフォーマンスが見られる。

    オフィスでマスクをした従業員が歓迎されるシーン。誰もいない食堂で踊る接客係のシーン。人気のない学校の廊下にいる先生に合図を出す、ダンスホールの用務員のシーン。仕事中、紫色の風船を見つける郵便配達員のシーン。

    ミュージックビデオ最後の60秒は、舞台裏でBTSに協力しているクルーに捧げられている。スタイリスト、振付師、メークアップアーティスト、音楽を実現させるためのサポート作業を行っている人々のすべてが、スターと一緒に踊っている。

    この2年間、私たちは楽しみたい気持ちを抑えこんでこなかっただろうか。新型ウイルスによってもたらされた絶望を引きずりながら、幸せになるのが不適切、あるいは、幸せになるのは不可能だと感じるようになってしまっていなかったか。

    しかし「Permission to Dance」は、誰でも幸せになれるというメッセージを伝えると同時に、幸せを感じるのは何ら恥じることではないと、爽やかに思い起こさせてくれる。

    ほんの3分7秒、のんきなサマーポップソングを聞いただけでも、その効果は十分だ。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。