3連休で、300件以上の銃撃事件が発生。130人以上が死亡
米オクラホマ州のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)お祭り。フィラデルフィア(ペンシルバニア州)のホームパーティー。アラバマ州の卒業パーティー。
これらはすべてメモリアルデーの3連休中(5月27日(金)の夜〜30日(月)の未明を含む)、多くの人々が集まるなか、銃撃事件が起こった場所だ。
アメリカでは、連休に先立つ5月14日にニューヨーク州バッファローのスーパーマーケット、5月24日にテキサス州ユバルディの小学校(いずれも現地時間)で、多くの犠牲者を出す銃乱射事件が起きたばかりだ。
さらに3連休中にも小規模の銃撃事件が何百件も起こっており、死傷者を出している。
米国で銃規制を推進する非営利団体(NPO)「ガン・バイオレンス・アーカイブ(Gun Violence Archive)」の集計データによると、3連休のわずか72時間の間に、国内で300件以上の銃撃事件が発生したという。
5月30日未明時点で、死者は130人以上にのぼっている。
130人のなかには、月曜日の午前1時頃、フィラデルフィアのポート・リッチモンド近郊のパーティーで銃撃され亡くなった16歳と21歳の女性も含まれている。
週末に起きた銃撃事件では、負傷者は1人というケースが多かった。だが、日曜日の午後にラスベガス南東の州間高速道路で発生した銃撃事件のように、7人もの負傷者を出したケースもある。
銃撃事件が多発している状況に対し、「米国での銃規制強化を求める母親たちの会(Moms Demand Action for Gun Sense in America)」のボランティアを務めるメロディ・マクファデンさんは、次のように語った。
「銃乱射事件は、氷山の一角だ」
「国内で大きく報道されないが、銃の暴力で、毎日のように人が亡くなっていると認識することが重要だ」
「銃弾が文字通り飛び交っていた」
3連休中、オクラホマ州タフトでは、路上での銃乱射事件が起きた。
5月27日(金)の夜、メモリアルデーの週末を祝うため、約1500人が野外フェスティバルに集まっていた。
午前0時を過ぎた直後、口論と思われる声に続いて銃声が鳴り響き、パニックになった群衆が逃げ惑ったという。
その場に居合わせたジャスメイン・ヒルさんは、地元紙「タルサ・ワールド」の取材に対し、当時を振り返った。
「銃弾が文字通り飛び交っていた」
「まるで映画のシーンのようだった」
銃撃が止んだときには、39歳の女性が亡くなり、9歳の子どもから56歳まで計7人の負傷者が出たという。
5月29日(日)には、26歳の男が自首し、身柄を確保されたとオクラホマ州立捜査局が発表している。
テネシー州では、5月28日(土)の夜、チャタヌーガ市街地で発生した銃撃事件により10代の若者6人が負傷。
負傷者のうち2人は「極めて重傷」だと、セレステ・マーフィー警察署長は報道陣に対し声明を発表。
市長のティム・ケリー氏は、怒りの言葉を述べた。
「昨夜の銃撃で人生を狂わされた犠牲者の方々やご家族のことを思うと、心が痛む」
「私は怒りも覚える。昨夜、10代の若者6人が撃たれた。こんな理不尽なことは繰り返してはならない」
「テレビゲームや映画ではない。人が生き返ることも、再びやり直すチャンスもない」
アラバマ州アニストンでも、27日(金)夜の卒業パーティーで、6人の若者が銃撃された。
イベントには150人以上が参加し、参加者の中にはまだ14歳の若者もいた。
アニストン警察のニック・ボウルズ署長は、Facebookに投稿された声明の中で、こう述べている。
「命ははかなく大事なものだ」
「これはテレビゲームや映画ではないのだから、人が生き返ることはない。再びやり直すチャンスはないのだ」
「マーチ・フォー・アワ・ライブズ(March For Our Lives)」のルンバントビングさんは、銃による暴力をなくす根本的な方法として、医療や教育、居住環境に対する、未来を見据えた投資もするべきだという。
「暴力事件が起きる前に、対処しなければならない」
「誰かが撃たれてからでは遅すぎる」
米国公衆衛生学会によると、米国の銃暴力は公衆衛生上の危機だという。
銃による死亡は、米国における若年層の主な死因であり、年間3万8000人以上の死者をもたらしている。
「ガン・バイオレンス・アーカイブ(Gun Violence Archive)」の集計データによると、2022年5月30日現在、少なくとも1万7820人が銃暴力で亡くなっているという。
この記事は英語から翻訳・編集しました。