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香港の動物園でパンダの自然交配に成功。新型コロナで客がおらず、プライバシーが功を奏した?

「まさかパンダをうらやましいと思う日が来るとは」

新型コロナウイルスの影響による自宅隔離中、人肌恋しくなるのは人間だけではないようだ。

香港の動物園、オーシャンパーク(香港海洋公園)が、ジャイアントパンダの自然交配に成功した。10年もの間音沙汰がなかった2匹、メスのインインとオスのリーリーとの関係に、やっと進展があった。

インインとリーリーは共に14歳。2010年から一緒に過ごしてきたものの、自然交配には至らなかった。

同動物園は1月26日から、新型コロナウイルスの拡大を懸念して一般客を受け入れていない。この静けさが功を奏したのか、3月下旬に発情期に入り、繁殖期特有の行動が確認されていた。

インインは水中で過ごす時間が増え、リーリーはマーキングして痕跡を残し、インインの匂いがする場所を探し回っていたという。これはどちらも自然交配の良い兆候だ。

そして現地時間の6日午前9時ごろ、この10年で初めて自然交配に成功したと同動物園が発表した。

ジャイアントパンダの自然交配は飼育下では難しいと言われており、この知らせに飼育員たちも喜んでいた。

「人工授精よりも自然交配のほうが妊娠する可能性が高いため、今回のニュースは非常に喜ばしいこと」だと運営・保護局長のマイケル・ブース氏は述べた。

動物園の獣医たちは、今後も注意深くインインの様子を観察するという。彼らによると、ジャイアントバンダの妊娠期間は72〜324日だが、妊娠は出産の約2週間前に超音波検査でしか検出できない。

「もし自然交配が成功していたら、早ければ6月下旬にホルモンレベルの変動や行動の変化など、妊娠の兆候がインインから見られると思う。ただ、仮性妊娠の可能性も常にある」とブース氏。

「香港の人々に素晴らしいニュースを届けられることを願っている。そして、この絶滅の恐れがある種の保護に一層貢献できれば」

外出を自粛し自宅で過ごす人が増える中、このニュースを受けツイッターでは「まさかパンダをうらやましいと思う日が来るとは」「パンダにあざ笑われている気分」といった反応があった。

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子