フランス・パリのルーヴル美術館で、衝撃の事件が起きた。
美術館だけでなく、パリ観光の目玉とも言えるレオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」にケーキが投げつけられ、クリームまみれになり、館内は一時騒然とした。
ケーキを投げた男は、高齢女性に扮し、車椅子に座り絵画に近づいた。
幸い作品はガラスで覆われていたため、絵画自体の汚損はなかった。
「モナ・リザ」がクリームまみれになる瞬間を捉えた動画が、SNSで拡散されている。
他の客らのどよめきや、「そんな…」という声が確認できる。
動画では美術館のスタッフと見られる男性が、クリームを拭き取ろうとしている。
その後、男が警備員に連行される際の動画もSNSで拡散された。
男はウィッグのついた帽子をかぶり、群衆に「地球のことを考えろ! 地球を破壊している人々がいる」と訴えた。
「芸術家は、地球のことを考えるべきだ! すべての芸術家は地球のことを考えろ。だから(今回の事件を)起こした」
ルーヴル美術館の広報担当によると、男が高齢女性に扮して車椅子に乗っていたため、美術館は障害者のための「通常通りの手順」を適用した。つまり、作品により近づくことができる。
ロイター通信によると、男は車椅子から飛び降り、作品を覆うガラスを叩き割ろうとしたという。
だがガラスは割れず、男はケーキを投げつけ、バラを地面にばらまいたところで警備員に取り押さえられた。その後美術館は、男の身柄を警察に引き渡した。
事件に居合わせたスタッフらに対し、美術館は「即座に対応したプロ意識に敬意を表したい」と声明を出している。
「モナ・リザ」が被害にあったのは今回が初めてではない。
過去には盗難の被害や、酸を浴びせられて損傷を受けたこともある。2009年には、フランス国籍を取得できず腹を立てたロシア人女性が、「モナ・リザ」に陶器のカップを投げつける事件もあった。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子