議員ってなんで男性が多いの？女性政治参加から73年、日本はどう変わったのか

各国の議員でつくる「列国議会同盟」（本部ジュネーブ）によると、2019年1月時点での、日本の女性議員数は、衆議院で定数465中47人、参議院では242中50人です。

衆議院では約10人に1人、参議員でも約10人に2人の計算になります。

参院本会議場の傍聴席で「政治分野における男女共同参画推進法」成立を見守る女性たち

昨年5月には、各党に女性候補の擁立を促す政治分野の男女共同参画推進法が成立しています。しかし法的拘束力はなく、女性議員がこれで著しく増えたわけではありません。

統一地方選の前半戦として4月7日に投開票が行われた41道府県議選は、同法が成立して最初の大型選挙でした。各党は、女性候補者の擁立目標を3、4割と掲げるなど、より多くの女性候補の擁立を目指しました。

しかし、時事通信の報道によると、実際に当選した女性は合計2277人中237人で、全体の10.4％に留まりました。

（グラフの「昭和22年4月」とあるのは「昭和21年4月」の誤り）

女性の政治参加は1945年12月の衆院選挙法改正で可能になりました。実際に女性が立候補と投票をした初の選挙は、戦後初の衆院選となった、1946年4月の総選挙です。

内閣府によると、この選挙では約1380万人の女性が投票し、立候補した女性79人のうち39人が当選しました。

上のグラフ「国政選挙の当選者に占める女性比率の推移」によると、参議院では約70年の間に女性議員数は増えましたが、衆議院では1946年（昭和21年）から約2ポイントの増加にとどまり、それほど増えていないことが分かります。

列国議会同盟の2018年調査では、国会議員（下院）に占める女性の割合ランキングで、日本は世界193カ国中165位でした。

雨の中開かれた、新宿アルタ前でパリテを呼びかける集会

そんな中、日本での女性議員の割合を50％まで引き上げようと呼びかける動きもあります。

4月10日の女性参政権記念日に合わせ東京と大阪で、女性議員の割合5割を目指す集会が開かれました。主催はパリテ・キャンペーン実行委員会で「パリテ」はフランス語で「男女同数、男女均等」という意味といいます。

大学生など若手から、20年以上パリテを目指して活動している団体まで幅広い年代が参加しました。

「統一地方選前半では、史上最多の女性が当選しました。多少、男女共同参画推進法に背中を押されたのだと思いますが、女性が占める割合はまだ10％を少し超えただけ。せっかく法律が通ったのにこんなことではいけないと思います」

同委員代表の三浦まりさんは演説で、こう話し、さらなる女性議員の増加の必要性を呼びかけました。パリテや女性エンパワメントの活動をする大学生らも、集会参加者や通行人に対し問いかけました。

「なぜ人口は男女半々なのに議員は女性が圧倒的に少ないのでしょうか」

「東京医大での女子受験生減点の問題にも見られるように、日本には隠された女性に対する差別が多くあります」

壇上で演説するジャーナリストの津田大介さん

集会には女性だけでなく男性も参加し、ジャーナリストの津田大介さんも登壇。津田さんは国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督を務めており、参加アーティストの男女比を半々にしたことで話題となっています。

芸術監督を務める上で、多くの芸術祭で男性アーティストがより多く起用されていたことやそれに誰も疑問を持たなかったことなどを説明。

芸術祭や国会で男性が圧倒的に多く選出されたり、出馬・当選することについて「男性が（差別の）構造を作っている、構造的な問題」と指摘しました。

「男性こそが声をあげて、具体的に変えるアクションを初めていく必要があると思っています」「特に男性に、是非聞いてほしい」と男性も意識を変えて行動していく必要性を述べました。