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「社会通念を考え直してほしかった」ヒール強制の容認発言、声を上げた女性の思い

#KuTooが厚生労働省に「企業にヒールを強制させないで」と1万8千筆の署名を届けた翌日、根本大臣は企業によるヒールの強制を容認しました。

職場で女性にヒール着用を求めることに、どんな意味があるのか。

女性スタッフへのヒール着用強制に反対する運動「#KuToo」のメンバーらが6月3日、厚生労働省に1万8千筆の署名を届けた。そして5日の国会で、この問題が取り上げられた。

ヒールがマナーという社会通念とは

石川さんは根本厚労相の発言に対し、次のように話す。

「健康被害があることが、分かっていないような発言です。ハイヒールによる足への悪影響など医学的な論文などもあります。また女性のみにハイヒールを強制するということに、男女差があります」

「なんでヒールを履くことがマナーなの?と考えたときに明確な答えはないと思います。男性は革靴で大丈夫なのに、女性はハイヒールを履くことを強要される職場もあり、なぜ男性と同じように革靴などヒールがない靴ではだめなのかと思います。美しさを求められているんです」

署名への厚生労働省の回答

石川さんらは3日、厚生労働省雇用均等政策課に署名を提出し「#KuTooは最終的には、企業がヒールを強制することを法律で取り締まることを希望している」と伝えた。

その際、署名を受け取った女性職員は「健康被害があることは知っている」としながらも、法律で取り締まることに対しては難色を示したという。

石川さんはそれに対し「一人一人のケガを軽視している。空気としてパンプスはマナーとしていることについて空気を変えたいとしているのに動いてくれないの?と思った」と話す。

Twitter上では根本厚労相の発言に対し「大臣もハイヒールを履いて業務をしてみたらいいのでは」「ヒールが必要な仕事、社会通念って何?」といった声が相次いだ。

ヒールを巡る国会での主なやりとり

(尾辻氏)署名運動が起きていることへの受け止めは?

(根本厚労相)要望書と署名を受理しております。一人ひとりの労働者が働きやすい就業環境を整備することが重要です。いろんな動向を注意しながら、働きやすい職場作りを推進していきたい。

(尾辻氏)職場で女性にヒールを義務づける必要はあると思うか?

(根本厚労相)義務づけられることについてどう思うかというお話ですが、これは、社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲かと、まあ、この辺なんだろうと思います。それぞれの業務の特性がありますから。

(尾辻氏)ハイヒールやパンプスを義務付けなければならない職場というのは、よく考えたら無いはずです。義務付け自体が時代に合わなくなり、健康障害を起こしている。労働安全の面から考えても問題だと思います。大臣は問題だと思っているのか、いないのか。そこだけでも認識を聞きたい。

(根本厚労相)強制する、指示する。これは社会通念に照らして業務上必要かどうかということ。要は、これは社会慣習に関わるものではないかなあと思います。だから動向を注視して、働きやすい職場作りを推進していきたいと思います。

(尾辻氏)ちょっとなんか、違うなという風に思います。大臣は男性なので厳しいと思います。感想で結構ですから(女性の)高階副大臣がどう考えておられるのかを伺いたい。

(高階副大臣)職場で強制しているところがどれくらいあるのか私も承知していないんですけど、一般的に言ってその業務に必要な範囲、安全性が確保されるような環境の中で労働者には仕事をしてもらえるように環境整備をしていくことが職場の考え方だろうと思いますので、強制されるものではないと思います。

(尾辻氏)大臣にも、そういう風に答えて頂きたかった。転倒で労災も起きている。労働安全衛生とハラスメントの双方の面からしっかり取り組んでいただきたい。

(根本厚労相)職場において女性にパンプスやハイヒールを履くよう指示すること、これについては、当該指示が業務上必要かつ相当な範囲を超えているかどうかがポイントだと思います。そこでパワハラにあたるかどうかだろうと思います。例えば足をけがしている労働者に必要もなく強制することはパワハラに該当しうると思います。どういう状況でなされてるのかという点の判断だと思う。

UPDATE

表現を一部改めました。