車椅子のバービー人形が登場 ドールハウスへのスロープもセット

    日本で初めて、車椅子を利用するバービー人形が登場します。

    バービー人形のシリーズに、車椅子を利用するバービーが仲間入りする。

    バービーは水色の車椅子に乗っている。ドールハウスに出入りするためのスロープも、人形とセットとなっている。

    米国では2月に発売され、車椅子に乗った初のバービーとして話題になっていた。日本では、米国マテル社の日本法人であるマテル・インターナショナル株式会社から8月9日より発売される。

    同社によるとバービーが乗る車椅子は、車椅子の専門家の協力のもと、本物の固定式のフレームを用いた車椅子をモデルにしてデザインされたという。

    車椅子に座ったり様々な姿勢を可能にするため、肘・ひざ・足首など関節にジョイントがあり柔軟に関節を動かせる。車椅子のタイヤも動く仕組みだ。

    マテル・インターナショナルは発売に際し、ブランドビジョンである、"You can be anything”(何にだってなれる)を子どもたちに伝えるため「一人一人が持つ可能性を一緒に支えていきます」としている。

    Twitter上では「すごく良い!」「このバービーを手にした子どもたちに心のバリアフリーを実現してほしい」と車椅子に乗ったバービーの登場を歓迎する声が出た。

    車椅子を利用するTwitterユーザーからも「今度の車椅子は水色にしようかな」「スロープがピンク色なのが可愛い。これでバービーの家に入れるらしい。すごくない?」との反応が寄せられている。

    また、実際に車椅子のタイヤが動いたり、スロープがセットでついてくることから「子どもたちが遊びながらバリアフリーを学べる」「車椅子をどう動かすのか、どこに入れてどこに入れないのか学べるのが素敵」との声も見受けられた。

    人形は、玩具・ベビー用品のトイザらス店舗やオンラインストアで販売される。

    国際女性デーには車椅子の「Shero」

    3月8日の国際女性デーにマテル社は、世界中の女の子のロールモデルとなる女性35人を選んで人形にした「Shero」シリーズを発表した。「Shero」は「She(女性)」と「Hero(ヒーロー)」を掛け合わせた言葉だ。

    その中には車椅子を利用するロールモデルもいた。自転車競技選手として活躍した、ドイツ人のクリスティーナ・フォーゲルさんだ。

    フォーゲルさんは数々のオリンピックでもスプリントで金メダルを獲得するなど、現代最高峰の女子トラック競技選手と言われていたが、トレーニング中の事故で重症を負い、車椅子生活を余儀なくされた。

    事故で選手人生に突然の終止符を打たれたフォーゲルさんだが、事故後の会見では「事故以降は私は自由になった。前を向き進む」と話している。

    現在は自身の経験を伝える活動などをしており、「自分自身を信じるロールモデル」としてバービーのSheroに選ばれていた。

    Sheroシリーズでは、テニスの大坂なおみ選手と、タレントの黒柳徹子さんも選ばれ、白いテニスウェアと赤い振袖姿のバービー人形となっていた。

    バービー人形も「多様」に

    バービー人形は1959年にアメリカで発売されて爆発的な人気を集め、世界で愛されるようになった。

    しかし白い肌とブロンドの髪、現実的でない程に細い体型から「人種差別的なステレオタイプを生む」「子どもがバービーの様な体型になりたいと思ってしまう」などと批判されることも少なくない。

    そんな中、バービーを出すマテル社は、1968年にはバービーの友人として黒人のクリスティーを発表、1980年には「バービーの友人ではなく、バービー本人」として、ヒスパニックと黒人のバービーを売り出している。

    近年は、特に様々な肌や髪の色、バックグラウンドを持ったバービーを登場させている。日本で今回発表となった車椅子のバービーも、米国では黒人のバージョンも発表されている。

    2016年には、これまでの細身で長身のバービーだけでなく、様々な体型の人形も発表。TIME誌の表紙にもなっていた。

    2017年8月には日本でも、新体型「カービー」として発売されていた。

    マテル社は、黒髪のアジア系の人形なども登場させており、また、工事現場作業員や宇宙飛行士、養蜂家など、様々な職業のバービーも発表し、バービーで遊ぶ子どもたちに対し「何にでもなれる」のメッセージを伝えている。