あのタージ・マハルに「授乳室」ができることになりました。

    「授乳することは母親にとって当たり前の権利のはず。だから、我々が何か対応する必要があると感じました」

    年間数百万人の旅行者が訪れるインドの世界遺産「タージ・マハル」にこの夏、授乳室が設置されることになった。

    インドでは公の場で女性が授乳をすることに否定的な風潮が強く、インドの世界遺産に授乳室ができるのは初めて。The Times of Indiaなどが報じた。

    「授乳は母親にとって当たり前の権利」

    歴史的建造物を管轄するインド考古調査局幹部のバサント・スワランカさんは5月下旬、ロイター通信の取材に「赤ちゃんと一緒にタージ・マハルを訪れる何百万人ものお母さんたちのために」、今年7月ごろまでに授乳室を設置したいと語った。

    すでに設置場所の選定を始めており、室内には照明、扇風機、いす、テーブルなどが置かれる予定だ。

    授乳室の設置を決めたきっかけは、スワランカさんがタージ・マハルを訪れた際に、赤ちゃんを抱えた女性が、階段の下に隠れて授乳しようとしている姿を目撃したことだという。

    「授乳することは母親にとって当たり前の権利のはずなのに、彼女がとても苦労していることが見て取れました。だから、我々が何か対応する必要があると感じました」

    The Times of Indiaによると、タージ・マハルの他に、アグラ城塞とファテープル・シークリーの二つの世界遺産にも設置を予定しているという。

    公の場での授乳をめぐっては、世界各地で議論が起きている。2017年には、ロンドンの博物館が、授乳中の女性に身体を隠すよう注意したとして女性に謝罪した。

    2015年にはスペイン・グラナダの観光地で授乳していた女性に警備員が施設を出るよう指示したとして、批判する声が上がった。