池江璃花子選手へ、世界のライバルたちが表彰台からエール 「絶対に諦めないで」「心は彼女とともに」

    「彼女ががんに打ち勝つことを心から願っている。彼女は真のファイターで、本物の勝者です」

    韓国・光州で熱い戦いが繰り広げられている世界水泳選手権。

    7月22日に行われた競泳女子100mバタフライの決勝後、メダルを獲得した選手たちが、白血病で闘病中の池江璃花子選手に向けて、表彰台からエールを送った。

    読売新聞などによると、発案したのは、このレースで銀メダルを受賞し、池江選手と親交が深いことで知られているスウェーデンのサラ・ショーストレム選手。

    競泳女子100mバタフライで55秒48の世界記録を持ち、池江選手の最大のライバルと言われている。

    ショーストレム選手は、優勝したマーガレット・マクニール選手(カナダ)と、銅メダルのエマ・マキーオン選手(オーストラリア)とともに、手のひらに「Ikee ♡」「NEVER GIVE UP」 「Rikako ♡」と書き、「絶対に諦めないで」と池江選手へメッセージを送った。

    池江選手は今年2月、白血病の診断を受けたことを公表した。一時競技から離れ、治療に専念している。

    ショートストレム選手は池江選手からの発表があった際、「私の友人である池江選手のニュースを読んで、涙があふれています。私のもつ全ての力と愛を送ります」と、自身のInstagramに投稿していた。

    AFP通信によると、22日のレース前にも池江選手に想いを馳せ、「水泳なんて彼女の闘いとは比べものにならないと、自分に言い聞かせました。『結果は関係ない。彼女の闘いは、この決勝に臨む誰よりも厳しいものだから』って」と、自分を奮い立たせていたという。

    「彼女ががんに打ち勝つことを心から願っている。彼女は真のファイターで、本物の勝者です」と語った。

    がんから復帰の選手「私の心は、彼女とともにある」

    21日に開催された競泳男子400mリレー決勝で、アメリカ代表のアンカーを務め、金メダルに輝いたネイサン・エイドリアン選手も、池江選手に勇気付けられた一人だという。

    エイドリアン選手は今年1月、精巣がんと診断されたことを公表。2度の手術とリハビリを乗り越え、今大会復帰を果たした。朝日新聞の取材にこう語った。

    「僕が暗闇のなかにいたとき、彼女の素直な気持ちや、復活への強い意志に心を動かされた。僕がプールへ戻る後押しになった。私の心は、彼女とともにある。すべてがうまくいくことを願っている」

    日本新記録でオリンピックへ

    一方、2020年の東京オリンピックを目指す池江選手のためにも、と今大会に臨んだ日本代表。

    21日に行われた競泳女子400mリレー予選で、3分36秒17の日本新記録で5位にランクインし、出場権を獲得した。決勝では7位を記録した。

    青木智選手は「去年や一昨年は璃花子に頼りがちだった。不在でも日本新を出せたことで、璃花子に励みになれば」と話した