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“NHKから国民を守る党”が1議席獲得 「お金と候補者は全部YouTubeで集めた」選挙戦略を明かす

政見放送で「さあテレビの前のあなたもご一緒に!NHKをぶっ壊す!」と訴える姿が話題になった「NHKから国民を守る党」が、比例代表で1議席獲得した。

7月21日に投開票された参院選で、「NHKから国民を守る党」(N国)が比例代表で約97万5千票を獲得し、1議席を獲得した。NHKなどが報じた。

立花孝志党首は21日、Abema Primeの選挙特番に出演し、「選挙の資金や候補者は、全部YouTubeで集めた」「議席が取れなくても、政党要件の得票率2%をとにかく取ることに終始した」など、今回の選挙における戦略を語った。

「NHKをぶっ壊す!」

「NHKから国民を守る党」は、元NHK職員の立花孝志氏が党首を務め、2013年に発足した政治団体。

政見放送で、「さあテレビの前のあなたもご一緒に!NHKをぶっ壊す!スタジオにいるNHKの職員もみなさんもご一緒に、NHKをぶっ壊す!やるわけないですね!」などと話す様子が話題を呼んだ。

党ホームページには、「NHKにお金(受信料)を払わない方を全力で応援・サポートする」「NHKから被害を受けている視聴者・国民を全力で、命がけで、お守りいたします」などと掲げられている一方、NHKに関するもの以外の政策については一切触れられていない。

今年4月の統一地方選では、関東の区議会や市議会を中心に、全国で26議席を獲得。今回の参院選には、選挙区に37人、比例代表に4人の候補者が立候補していた

「全部YouTube。YouTubeだけです」

#拡散希望 NHKの政見放送で【NHKをぶっこわす!】と9回訴えました。ご覧頂いていない方はぜひご覧下さい。https://t.co/Scrs6kC6qs

立花氏が番組に出演した21日夜の段階では、AbemaTVがANN(テレビ朝日系列)などの出口調査の結果をもとに、1議席を確保する見込みだと報じていた。

立花氏は番組で、今回の参院選における資金と候補者は「全部YouTube」で集めたと話した。

政党要件の一つである「直近の衆院選か参院選の得票率が全国で2%以上」を満たし、その結果得られる政党交付金で借りた費用を返す計画を動画で説明したところ、1億円を超える資金が集まったという。

また、今回の選挙は、次回の衆議院議員選挙に向けた布石であることも明かした。

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ーー比例で当選すると、1議席が立花さんではないかということで聞いてらっしゃると思いますが、手応えとしてどうでしょうか。

手応えとしては、まあ僕は当選しなくても、選挙区のほうでは十分得票率2%を超えると確定しているので、そういう意味では、手応え、結果としては十分満足いくものであります。

ーー選挙区にも37人候補者を立ててますよね。現実的には選挙区での当選はなかなか厳しいと思うんですけど、どういう方をどういう風に集めて…?

これはもう正直、急ごしらえで、やっぱり選挙区に候補者を立てることによって比例の票も伸びるし、何よりも選挙区で2%とれば、政党要件を満たすっていう法律がありますので、それをとにかく満たすために、人とお金を10日ほどでかき集めたと。

ーーどうやって集められたんですか?

あ、もう全部YouTubeです。YouTubeだけです。一口300万円で、2口までで貸してくれませんか、と。立候補とお金出せる人、お金だけ出せる人と選挙に出てくれる人をマッチングしました。

ーー政党要件を満たしたら、そこで交付される政党交付金で返す?

そうですね。

YouTubeでこの動画を見る

youtube.com

ーー現実的には各選挙区で当選が難しいにしても、そこにN国の候補者がいることで、比例でN国を書く人も出てくると思うんですけど…。

もちろんその効果は考えています。

当然、選挙区では野党統一候補ということで、一人区は3人しか出ないということですから、そこは2%を超える投票が取れると。

全国比例で2%を超えるというのは非常に難しい壁ですが、選挙区で2%超えるっていうのは、例えば幸福実現党さんが前回の参院選で1.7%獲得されていらっしゃいましたので、これは大丈夫だと。

その戦略をしっかりYouTubeで説明したところ、わんさかわんさかと電話がかかってきて、1億円以上のお金は集まりました。

ーー4月の統一地方選でかなりの当選者を出したというのが、今回こういう戦略でいけるんじゃないかという後押しにはなっている?

もちろんそうです。それによってのまあ信頼というのは、相当あったと思います。

ーー今回も国政選挙に立花さんが通るべく、戦略を練って…?

私が通るというよりも、冒頭申し上げた通り、政党要件を満たさないと選挙は勝てないんですね。

今回だって我々は諸派ということで、「NHKから国民を守る党」っていう名前が(選挙期間中の報道で)出ない。そんな中で、次の衆院選を考えて、とにかく2%の政党要件を取るんだと、これは間違いなく選挙区で取れば大丈夫なんだと、これを何度も総務省に確認しました。

幸福実現党さんとうちの選挙区での票っていうのは2倍くらいありますから、幸福実現党さんが前回96万票くらい取ってらっしゃいますから、同じように(候補者を)立てれば、得票率2%の110万票っていうのは、ゆうに超えていくだろうということを元に、議席が取れなくても、2%をとにかく取りに行くということに終始しました。

ーーそれでいうと、NHKをぶっ壊すという政策よりは、選挙制度をうまくハックするということの方がうまくいくんだよということですか?

うまくというか、もちろんみなさんに知っていただかないといけませんので、あの、僕はYouTubeを使って、政見放送は次の衆議院のためにとってるつもりなんですね。NHKの生放送を見てる人ってほとんどいないと思うので。

地方議員としての成果「最初からないと言っている」

これまで船橋市議や葛飾区議にも当選してきた立花氏に対して、地方議会議員の仕事と「NHKをぶっ壊す」という目標には関連性がないのではないか、と質問がぶつけられる場面もあった。

これに対して立花氏は、「あーもう区議としての成果を全く出さないということを最初から言っています。区民っていうよりも、国民の声に応えていくことをすることが、最初から区政とか市政の仕事をするとは言わずに立候補していますから。それに対する苦情っていうのは一切ないです」と答えた。

国会議員としては、立花氏が職員時代に見聞きしていたNHKの「粉飾」などを追及していくつもりだという。

その他の政策や議題については、インターネット上で政策に関する国民の賛否を問うシステムが構築されるまでは、「出席はしますけど、議決権は行使しない。全会一致のものについてまでいちいち欠席はしませんけど」と語った。