アメリカンイーグルが手がける女性向け下着ブランド「Aerie（エアリー）」がいま、アパレル業界に根付いた「美しさ」の固定概念を覆そうとしている。
今月からオンラインストアのカタログで、さまざまな障害や病気を抱えた女性たちをモデルとして起用し始めたのだ。前触れもなく、ひっそりと。
起用されたモデルたちの中には、松葉杖をついているひとや…
ダウン症のひと…
白斑の症状がある女性もいる。
さらに、 1型糖尿病でインスリンポンプを身につけているひとや…
人工肛門の袋をつけているひと…
車椅子を使用しているひとの写真も並んでいる。
Aerieは2014年から、ありのままの姿や個性を讃える「#AerieReal」というキャンペーンを展開し、様々な体型の女性たちをモデルに起用。
写真は一切修正しないというポリシーを掲げることで、多くの女性たちから共感を集めてきた。
「美しさには色んな形がある」
モデルの一人のアビー・サムズさんは、立ち上がると心拍数が急激に上昇し、失神や激しいめまいが生じる「体位性頻脈症候群」（POTS）などを抱え、車椅子で生活している。
彼女はキャンペーンに参加した経緯を、BuzzFeed Newsの取材にこう話す。
「私は今まで、障害や慢性疾患を抱えた人々の生き生きとした姿が、メディアの中で体現されているのを見たことが一度もありませんでした」
「だからモデルに応募した時に、#AerieRealがそれぞれの個性を讃えるのであれば、美しさには色んな形、体型、民族、障害の有無があるのだというメッセージを発信するべきだと訴えたんです」
「そうしたら、Aerieの人たちも共感してくれました。撮影でもあっという間にみんなと親友になれた。みんな思いやりがあって、サポートしてくれたんです」
@Aerie just sneakily released some of my photos! Look at this disability representation people!!! Also look at me because I cant believe it's actually me so yeah https://t.co/nfhaBrKqHX
美しさに「正解」はないことを示すAerieのキャンペーンに、ネットでは同じような境遇の女性たちから感謝の声が上がった。
「今すぐ泣きそう。普段、人工肛門をつけたオストメイトのモデルを見ることなんか絶対にないから」
@abby__sams @TurianBatman @Aerie I am about to cry. I NEVER see people with ostomies.
「自分と同じ姿を体現してくれるモデルを見たのは、生まれて初めて！」
@abby__sams @toryjcarr @Aerie OH MY GOD!!! THIS IS THE FIRST TIME I’VE EVER SEEN MYSELF REPRESENTED IN A MODEL!!!!
「写真を見た瞬間、涙が出た。Aerie、ありがとう。糖尿病の娘も、これで少し自分の病気を気にしなくなると思う」
I literally cried when I saw this today. Thank you @Aerie for making my daughter a little less self conscious about her diabetes #realpeople #tidlookslikeme https://t.co/rPKr4nNFoY
特筆すべきなのは、多様性を賛美するAerieの取り組みが、業績にも繋がっていることだ。
米メディア「CNBC」によると、Aerieはキャンペーンを機に売り上げを伸ばし、2017年の年間売上高は5億ドル（約550億円）を記録。
2018年第1四半期の売上高は、前年同期比＋38％に増加した。
「何よりも嬉しかったのが、Aerieが私たちの写真を大げさに宣伝したりしなかったこと。私たちは『異常』でも『特別」でもないから」とサムズさんは言う。
「私たちはみんなここにいるし、コミュニティの一員です。世の中で暮らす人々の本当の姿を見せることがこのキャンペーンの目的で、本当に嬉しく思います」
この記事は英語から翻訳されました。