「私自身が、金正恩委員長と直接向き合わなければ」 安倍首相が語ったこと

    安倍首相「何よりも大切な拉致問題の解決に向け、私自身が金正恩委員長と向き合わなければならないと決意しています。条件をつけずに会談をして、虚心坦懐に話をしたいと考えています」

    令和初の国賓として来日したアメリカのドナルド・トランプ大統領と、安倍晋三首相が5月27日、日米首脳会談に臨み、共同記者会見を開いた。

    安倍首相は「拉致問題の解決に向けて、私自身が金正恩委員長と直接向き合わなければならないと決意している」と、日朝首脳会談の実現を目指す方針を強調。

    これまでに、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長と2度会談しているトランプ大統領から「あらゆる支援を惜しまない」という力強い言葉をいただきました、と話した。

    「拉致問題は最重要課題」

    トランプ大統領は5月25日、羽田空港に到着。2017年11月以来、2回目の来日となる。

    朝日新聞によると、27日は午前11時ごろから日米首脳会談を行い、拉致被害者の家族との面会後、記者会見に臨んだ。

    安倍首相は、トランプ大統領が北朝鮮と会談を重ねていることについて、「トランプ大統領が相互不信の殻を破り、非核化の先の明るい未来を共有して、新しいアプローチをとってきていることに改めて敬意を表したい」と発言。

    拉致問題は「安倍内閣にとって最重要課題である」と強調し、「何よりも大切な拉致問題の解決に向け、私自身が金委員長と向き合わなければならないと決意しています。条件をつけずに会談をして、虚心坦懐に話をしたいと考えています」と述べた。

    トランプ大統領は「金委員長が北朝鮮を変えていくことを期待している」とコメント。

    「拉致問題が安倍首相にとって最重要課題であることはわかっています。今日、拉致家族とも面会したが、心が引き裂かれるようだった。アメリカは引き続き、拉致被害者を帰国させるための日本の努力を支援する」と話した。

    報道陣からは、日朝首脳会談は複数回行う予定か、時期などのめどは立っているのかとの質問があった。

    安倍首相は「現時点においては目処が立っているわけではない」「総裁としての任期、一回の会談で解決できるかどうかに関わりなく、問題の解決に向けて全力を尽くさなければならないという責任を、総理大臣として負っている。今後もこの責任を果たしていくために、日々全力を傾けていく決意であります」と答えた。

    北朝鮮の非核化をめぐっては、トランプ大統領と金委員長が2月、ベトナム・ハノイで会談を開いたが、合意には至らなかった

    (サムネイル:AFP=時事)