痴漢を安全ピンで撃退することの是非をめぐって、SNS上で議論が活発化するなか、印章・スタンプ製造の「シヤチハタ」公式Twitterのある投稿話題を呼んでいます。
「カッコいい、シヤチハタさん」
《今現在Twitterで話題になっている社会問題の件ですが、早期に対応ができるようにします。ジョークではなく、本気です》
シヤチハタ公式が5月22日にこうつぶやくと、5千回以上リツイートされ、7700を超える「いいね」が集まりました。
痴漢を安全ピンで刺すことについて、ネット上には「過剰防衛」を懸念する声もあり、相手を傷つけることなく証拠を残す手段として「シヤチハタ」に注目が集まっています。
シヤチハタのツイートには「社会問題」の内容までは明記されていないものの、こうした経緯を念頭に置いた発言として受け止められました。
リプライ欄には
「カッコいい、シヤチハタさん」
「いざって時には頼れる企業」
などの賞賛のほか、
「摩擦や水で落ちにくいインクが良いです」
「従来より短く手のひらにすっぽり入るサイズだと嬉しいです」
といった具体的な提案も寄せられています。
「段階的に形にできれば」
こうした声に応える形で、シヤチハタ公式は5月27日、以下のように投稿しました。
《本件大変な反響を頂いております事、真摯に受け止めます。様々なご要望を頂いておりますが、最初にご提案できるのは従来のネーム印とほぼ変わりません。そして今後段階的に形にできればと考えております》
《とはいえ、目指すべきはこの社会問題が根絶され、“護身用グッズが必要ない世の中”になる事です》
痴漢対策をめぐっては、埼玉県警が2015年、痴漢に特殊なインクをつけるシールを配布し、賛否両論が巻き起こった例もあります。
声をあげることのできない女性たちに有効な反撃の手段を確保しつつ、冤罪を防ぐ。両面への配慮が求められます。
過去にも課題解決型の商品
BuzzFeedの取材に対し、シヤチハタ広報室は「安全ピンやスタンプ、弊社製品について話題になっていたことから、公式Twitterの担当者が反応しました」と回答しました。
シヤチハタではこれまでにも、子どもの手のひらにバイキンのスタンプを押し、洗い流すことで手洗いの練習をする商品や、スタンプラリーを行いながら防災・減災の知識を学ぶ商品など、課題解決型の製品を販売してきました。
「具体的にいつどこで、というところまで煮詰まっているわけではありませんが、社会問題に対して会社としてにお役に立てるよう、これから頑張って対応したい、という趣旨で申し上げたものです」