映画『ザ・ファブル』に出演する佐藤二朗さんは、役柄の「タコ社長」同様、お酒が大好き。時には、お酒が原因でやらかしてしまうことも…。
酔っぱらうと〇〇魔になるって本当ですか?
あのツイートってどういう意味?
「言えません! ガチの失敗は言えません」と言い張る二朗さんに、根掘り葉掘り聞いちゃいました。
運命のオファー
――『ザ・ファブル』は、岡田准一さん演じる伝説の殺し屋「ファブル」が、1年間誰も殺さず、一般人として普通に暮らすことをボスに命じられるという筋立て。佐藤さんはもともと、原作漫画を読んでいたとか。
アクションも笑かすところも、泣けるところも、全部僕にジャストミートで。「すごい漫画を見つけた!」っていうツイートをしようとしたその日にオファーが来たんですよ。
『ファブル』が持ってるのか、松竹が持ってるのか、あるいは俺が持ってるのか(笑)
『今日俺』のパーマが…
――二朗さんは、ファブルのバイト先のデザイン事務所の田高田社長(タコ社長)役です。なかなか印象的なヘアスタイルですが。
ドラマ『今日から俺は!!』(日本テレビ系)でパンチパーマにしたんです。
『今日俺』の撮影が終わって、『ファブル』の衣装合わせの時に「髪はこれから切りますんで」と言ったら、江口カン監督が「ちょっと待って」と。
パンチパーマが伸びきった、おばちゃんみたいな状態。原作とは髪型違うけど、タコ社長っぽいんじゃないかって言われて、俺も確かにそうだなって。
江口監督とはとにかく感覚が合ったんですよね。
タコ社長がIQOSを吸う設定もそう。洋画・邦画問わず、タバコをアイテムに使うっていうのは昔からあるじゃないですか。でもIQOSは新しいなと思って。
「ガチの失敗は言えません」
――タコ社長と一緒で、二朗さんも結構なのんべえで。
確かにお酒は好きですね。
――お酒で失敗したことってあります?
そんなもん、言えません! ガチの失敗は言えません。
――酔っ払って、「佐藤二朗」と自分の名前をツイートして。なんでそんなことになっちゃったんですか?
エゴサーチしたつもりが、そのまま投稿しちゃった。そういうことが2、3回ありましたね。最近はないですよ!
自分が出た作品の情報解禁を知るために、エゴサーチしてるんです。「佐藤二朗」と検索してバーっと情報が出てきたら、あ、今日が情報解禁だってわかるから。
酔っ払って生放送中に…
――酔うと結構、電話魔になるらしいですね。
それはありますね。酔っ払って、山田孝之とか安田顕とかの役者仲間に電話しちゃう。
あと昔、『SKE48のマジカル・ラジオ』っていうコント番組で一緒だった、松井玲奈とかオードリーの若林とか。
一度、名古屋でベロベロに酔っ払って若林に電話したら、「オールナイトニッポン」の生放送中で、リスナーに全部バレてしまった(笑)
俺、あとでその音源を聞いたのね。
春日さんが「ちょっと電話が鳴ってるじゃないですか。誰なのよ」って聞いて、若林が「佐藤二朗さんから。二朗さん、俺がこの時間にラジオやってるっていうの覚えてくれなくて」みたいなことを言ってた。
けどさ、スタジオに携帯持ってく若林もどうかと思うよ?
誰も傷つけたくない
――企業の研修とかだと「酔っている時にはツイートするな」って割と最初に言われますが。
ウソ! 研修で言われるんだ…。愚痴とか書いて、どこそこの社員だったってわかったら打撃になっちゃう場合もあるもんね。
――二朗さんのツイートは誰も傷つけてないし、大丈夫では。
酔ってツイートしたこと覚えてなくて、翌朝見て「なんじゃこりゃ!」って思うことがガチで何回もあるんですよ。
でも正直、いくら酔っていても「とにかく誰も傷つけない」ってことは、すごく考えてます。
全然、言いたいことが違う文章なのに、端っこの文言で誰かを傷つけちゃうことってあるじゃないですか。そういうものさえないように。
俺の酔っ払いツイートを待っててくれる人もいるんで。
――「うぶ、ひ」とか、「ふっふー。ふっふーふ、ふっふふー」とか、わけのわからない言葉をつぶやいている時も、どこかで冷静さは保っている。泥酔状態ではないということですね。
いや、さすがに…ごめんなさい、泥酔してるかもしれません(笑)
〈佐藤二朗〉 1969年5月7日、愛知県春日井市生まれ。1996年、演劇ユニットちからわざを旗揚げ。全公演で作・出演する。『勇者ヨシヒコ』(テレビ東京系)や『スーパーサラリーマン左江内氏』(日本テレビ系)など、数々の作品でバイプレーヤーとして存在感を発揮。俳優業のかたわら、「ケータイ刑事銭形シリーズ」(BS-TBS)、「家族八景」(MBS・TBS)などの脚本執筆も手がける。映画「memo」「私たちがプロポーズされないのには101の理由があってだな」では監督・脚本を務めた。Twitterのフォロワーは134万人超。著書に、つぶやきを書籍化した『のれんをくぐると、佐藤二朗』(山下書店)など。