りゅうちぇるが「平成に置いていきたい」5つの言葉

    初めてのアルバム「SUPER CANDY BOY」を出すRYUCHELLがホンネで語った

    新元号が「令和」に決まりました。いよいよ平成も今月末で終わり。新しい時代を迎える前に、「平成に置いていきたい言葉」は何?

    “RYUCHELL”名義で4月10日に初めてのアルバム『SUPER CANDY BOY』を出す、りゅうちぇるさん(23)に聞きました。

    1.「男らしさ」「女らしさ」

    「男らしさ」「女らしさ」とか、「若いから」「年相応に」みたいな、「こうしないと似合わない」と思わせるような言葉は、置いていっていいと思います。

    アルバムのタイトルには、男の子でもなく女の子でもなく、僕は「CANDY BOY」なんだ!という意味を込めました。新しいジャンル、新しい肩書きを自分でつくれる時代になってほしいなって。

    収録曲『Diversity Guys!』では《誰が決めたの? 男らしさ 女らしさとか》、『Beautiful Dreamer』では《Barbieで遊ぶ 僕を からかい 決めつける》と歌っています。

    子どものころ、バービー人形で遊んでいたら「オカマ」と言われて。自分っておかしいんだ、人と違うんだって、ずっと心に引っかかっていました。いろんな生き方があっていいはずなのに、そうやって人のことを決めつけるのはおかしい。

    「人と違う」=「珍しい」=「誰にもできない」っていうこと。いまはそういう自分の個性が仕事にも生きているし、ぺこりんが僕のことを好きになってくれたキッカケのひとつでもあると思っています。

    2.「普通」

    《ココから コレから 普通を変えよう》――。デビュー曲『Hands up!! If you're Awesome』の歌詞です。

    「普通の男の子はメイクなんかしないよ」「こんな服着ないよ」って小さいころから言われ続けて…。自分のなかで一番、違和感を覚えた言葉でもあります。

    いまでも「普通のパパはこんなことしないよ」って言われますし。あなたのパパ像と、僕の思うパパ像は違う。っていうか、あなたのパパと僕のパパも違うのに。

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    RYUCHELL CHANNEL / Via youtu.be

    【OFFICIAL】RYUCHELL(りゅうちぇる) "Hands up!! If you’re Awesome" Music Video

    「普通」っていう言葉自体を否定する気はないんです。「自分の思う普通」「自分にとっての普通」を信じてあげることはあっていい。

    でも、他人に自分の普通を押し付けのはダメ。自分は自分っていうのが、すごく大切かなって思います。

    3.「前例」

    何か新しいことをしようとした時に、「前例がない」って言われてしまうこと、あります。

    たとえば、僕がメチャクチャおしゃれに作品を仕上げたいと思って、スタッフさんから「それはレベルが高すぎるから…」って言われたとしますよね。

    スタッフさんにはスタッフさんの考えがある。だけど、僕がそこでみんなに合わせちゃったら、世の中の人は「りゅうちぇるってダサいよね」って言うんですよ。

    それは悔しいから、自分の意見はちゃんと伝えるようにしてます。「YouTubeのコメント欄にダサいって書かれますよ」って。

    もちろん感謝の気持ちは忘れてはいけないけど、仕事にはしっかり責任を持って取り組みたい。言わずに後悔するよりも、自分の気持ち、世界観、ポリシーは大切にしたいなって常に思ってますね。

    そういう思いも込めて、『Diversity Guys!』では《「前にならえ」は卒業だね》と歌っています。

    4.「浮いてる」「空気を読む」

    僕の短所でもあるんですけど、子どものころから協調性が全然なくて。みんなが「これでいいじゃん」って思ってることでも、「嫌だ」って言っちゃう子だったんです。

    もちろん、多数決をとって僕の意見が少なければ受け入れますよ。でも、まず意見を言える世の中であってほしいなって。

    何か言ったら嫌われるかも。好きな格好をしたら「浮いてる」と言われて、仲間はずれにされるんじゃないか…。そういう不安もあると思うんですけど、それぞれ個性があって当たり前じゃないですか。

    《「浮いてる」って当然 僕らにはどこまでもいける 羽根がある》っていう『Diversity Guys!』の歌詞の通り。

    みんな生き方が違えば、好きなものも違う。育った環境も、親も違う。全然違う自分なんだから、浮いていて当然なんですよね。

    僕も地元のニュースについて発言したりすると、批判を受けることがあります。「多様性」って思っていることを言える世の中のこと。だから、反対意見もあっていいんです。

    ぶっちゃけ、批判を想定せずに発言したことは一度もないです。常に覚悟のうえで発信してる。何か言う人は絶対に言いますよ。けど、僕の生き方だしって思います。

    5.「イクメン」

    去年、「イクメン オブ ザイヤー」をとらせていただいた夜に、モヤモヤしちゃって、Twitterでこうつぶやいたんです。

    《イクメンオブザイヤーを受賞させていただいた僕が言うのもあれだけど...イクメンという言葉が無くなるくらい パパも子育てに当たり前に向き合えて 別にパパが子育てをしてても 全然驚かれないような 大切な子供を 夫婦で協力して話し合いながら育てていけるといいな...》

    イクメンオブザイヤーを受賞させていただいた僕が言うのもあれだけど...イクメンという言葉が無くなるくらい パパも子育てに当たり前に向き合えて 別にパパが子育てをしてても 全然驚かれないような 大切な子供を 夫婦で協力して話し合いながら育てていけるといいな...🤔✨

    僕ってヤバイやつだな、このお仕事向いてないのかなって、マジで悩んだんですけど。でも、パパとママ2人の子どもだから、パパが子育てするのは当たり前だし。

    「子育てにはどれぐらい参加されているんですか?」みたいなことを聞かれて、口が悪いんですけど、ちょっと質問の質が低いなって。

    それってちゃんとやってるお父さんからしたら、失礼な質問ですよね。同時に、仕事が忙しいとか、いろんな理由でできない人も多分いらっしゃるんだろうなと。

    それでも、お母さんの側からすれば、男の人が珍しいからって、ちょっと子育てに参加しただけで「イクメン、イクメン」って言われるのはどうなの?ってなるじゃないですか。

    女性を同じようにたたえる言葉があれば、まだよかったんですけど。

    僕みたいな人間が発信することで、「ママに押し付けずに、もっと育児に参加しよう」と考えるパパが増えたり、ママの側も「自分一人で頑張らなくていいんだ。パパにも頼っていいんだ」と思ってもらえたらいいなって。

    息子を歌うことへの抵抗

    (長男の)リンクはいま9ヶ月。本当にあっという間で、時の流れの速さが怖いです。

    『Link』という曲では、リンクのことを歌いました。スタッフさんが「パパになるからこそ歌える歌があるんじゃない?」って提案してくれて。

    最初は絶対イヤだったんです。自分の人生は自分で決めてほしいから、リンクは顔出しもしていません。それなのに、歌手活動を始めてすぐに、仕事のために息子を使うっていうのが許せなくて。

    「大人はすぐ、そういうことをするからイヤだ!」って思ったぐらい。だけど、いざヒャダインさんがつくってくださった曲を聴いたら、なんて素敵な歌なんだろうと。

    僕たちの家族だけの話じゃなくて、皆さんが大切な人を思って聴ける曲だから、出す意味があるなと思えたんですよね。

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    RYUCHELL CHANNEL / Via youtu.be

    【OFFICIAL】歌詞あり:RYUCHELL(りゅうちぇる) "Link" Music Video

    リンクという名前を発表した時、「キラキラネーム」とも言われました。

    そのことをヒャダインさんに伝えたら、「ネガティブなキラキラなイメージを、ポジティブなキラキラで返そう」って、歌詞に「キラキラ」と入れてくださって。

    すごくヒャダインさんの愛を感じたし、あの人、本当に天才だなって。

    空気を読めない者勝ち

    リンクには、自分を大切にできる人になってほしい。僕も自分を大切にしてきたからこそ、ぺこりんに会えたし、自分に合ったお仕事にめぐり会えました。

    よく「夢が見つからない」「好きなものがわからない」っていう悩みを聞くんです。そういう人にも、僕は「まず自分を好きになって」としか言えなくて。

    自分を好きになれないと、「私にはどうせできない」ってあきらめちゃう。自分を好きになることで、「これを仕事にしたい」って思える行動力にもつながると思うんです。

    「平成に置いていきたい言葉」について話してきましたけど、逆に新しい時代に残したい言葉は「多様性」ですね。性別や年齢、住んでいるところや肩書きとかで人を判断しない。

    「空気を読めない者勝ち」っていうか。自分のことを愛せて、自分の意見をしっかり言える。そういう世の中になってほしいなって思います。